絶好調ネッツを牽引する指揮官ジャック・ボーンの存在【1/3(火)午前9時30分 スパーズ対ネッツ】

渡邊雄太が所属するブルックリン・ネッツは現在、破竹の11連勝で絶好調だ。現在はイースト2位(24勝12敗)につけるが、10月末まではディフェンシブ・レーティングがリーグ29位(119.1)と守備が崩壊し、2勝5敗と苦戦していたことを考えると劇的な立て直しだと言える。 転機となったのは指揮官の交代だ。日本時間11月2日(現地1日)にスティーブ・ナッシュHC(ヘッドコーチ)を解任し、当時アシスタントコーチだったジャック・ボーンが暫定HCに任命(その後正式なHCに昇格)。ナッシュHCにすべての責任があったわけではなかったが、空気の入れ替えがチームには必要と判断された。そしてボーンHCが指揮を執るようになって以降、チームは22勝7敗とリーグトップの戦績を残し、課題だったディフェンシブ・レーティングもリーグ6位(110.3)と大幅に改善されている。

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選手経験を活かしリーダーシップを発揮

その変化の要因についてボーンHCは、ナッシュHCの解任直後に選手たちとコミュニケーションを取れたことが大きいと述べている。 「(暫定HC時に)練習中に選手たちを集め、当時の状況を正直に説明したんだ。そして、『毎日君たちと本気で向き合う』という趣旨を伝えた」 エースのケビン・デュラントも「ジャックが就任したところから変わっていった。彼の言うことを信じ、それを受け入れたことで良い方向に向かっている」とチームの変化を実感している。さらにはカイリー・アービングも「ロッカールームで彼は安心させてくれる。ヘッドコーチとして、リーダーとして多くのことを学ぶことができた」と、ボーンHCのリーダーシップを絶賛。比較的に問題行動の多い2大エースの心を掴み、チーム一丸の雰囲気を作れたのは指揮官の技量だ。

チームの柱であるデュラントとアービングもボーンHCには全幅の信頼を寄せる

ボーンHCは選手時代に通算12シーズンで5球団を渡り歩き、引退した2010年からはアシストタントやヘッドコーチとして経験を積んできた。選手時代からチームを下から支える脇役的存在だったが、指導者でありながらもプレイヤーの気持ちを掌握できているのは、長年NBAで培ったそんな経験があったからだと言えるだろう。

自信を深めてチームをさらなる高みへ

この11連勝中は守備だけでなく、デュラント、アービング、そしてベン・シモンズの“BIG 3”を中心に、渡邊、ニコラス・クラクストン、ロイス・オニール、セス・カリーなど、ロールプレイヤーも噛み合い、オフェンシブ・レーティングがリーグトップ(123.4)と攻撃面も好調だ。また、連勝中は7試合がクラッチゲーム(5点差以内で残り5分を迎えた試合)での白星と、接戦での強さが光る。 「今はチームとしてのアイデンティティがあり、その通りにやればゲームで何が起こっても大丈夫だと信じて戦っている」と、デュラントも最近の強さに手応えを掴んでいる。シーズン序盤の不振をチーム一丸で乗り越えた今、攻守において自信が垣間見える。

苦境を乗り越え、チームにはこれまでになかった一体感が生まれている

ネッツは、日本時間1月3日(現地2日)にホームでサンアントニオ・スパーズと対戦する。スパーズは、ボーンHCが選手時代最後の3シーズンを過ごし、コーチ業をスタートさせた古巣。師匠でもあるグレッグ・ポポビッチHC相手に、連勝を伸ばせることができるか注目だ。 ■サンアントニオ・スパーズ対ブルックリン・ネッツ 日時:日本時間1月3日(火)午前9時30分 会場:バークレイズ・センター 視聴可能プラン:LEAGUE PASS

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