メンフィス・グリズリーズのエースであるジャ・モラントはNBA4年目の今季、ここまでリーグ9位の平均29.3得点を叩き出し、自己ベストを更新する働きを見せている。そんな成長著しい23歳に対し、名物パーソナリティーが警鐘を鳴らしている。 2019年ドラフト全体2位指名のモラントは、ドラフト1位のザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)が怪我でシーズン全休となったのとは対照的に、スターダムを一気に駆け上がった。特に得点力アップは目覚ましく、3年目の昨季は平均27.4得点まで伸ばしてMIP(最も成長した選手)を受賞した。 今季も平均29.3得点を挙げているモラントは、身長191cmながら垂直跳び44インチ(約111.8cm)と言われる圧巻の跳躍力とスピードを誇り、積極的にドライブを仕掛けるスタイルが特長だ。昨季は1試合の平均ペイント内得点でニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/16.2点)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/15.9点)らビッグマンを抑えてリーグ1位(16.6点)。今季も14.9点とトップ10以内をキープしている。 そのなかで、名物パーソナリティーのコリン・カワードは自身がホストを務める『The Herd with Colin Cowherd』で、モラントがキャリアを長く続けるためにはスタイルを変える必要性があると持論を展開した。 「ジャ・モラントが台頭してきた時、私はデリック・ローズを彷彿させると言った。実際にはデリック・ローズよりも小さくて体重も軽いが、彼の方が優れたシューターだ。デリック・ローズよりもステフィン・カリーの役を演じた方がいい。ジャ(モラント)は特別な選手だが、これまでの歴史を参考しないといけない。(34歳の)ステフはまだ現役でプレイしていて、リム付近でフィニッシュすることはほとんどない。アウトサイドにいてシュートだ。ジャは今季3ポイント成功率40%以上(40.3%)を記録している。デリック・ローズは生粋のシューターではなかったし、(ロサンゼルス・クリッパーズの)ジョン・ウォールも、(ロサンゼルス・レイカーズの)ラッセル・ウェストブルックもそうだ。私はジャがすごく好きだが、ハンドチェック・ルールのないなかでサイズの小さい選手たちを心配している」 カワードはドゥエイン・ウェイド、アレン・アイバーソン、デリック・ローズ(ニューヨーク・ニックス)といったドライブを武器とした攻撃的ガードを引き合いに出し、怪我が多くなるリスクを指摘している。 「ステフのようにプルアップ(ジャンパー)をもっと使うことを勧める。今のスタイルは危ない。コートにたくさん叩きつけられて怪我をする」 目覚ましい活躍を見せた昨季、膝の痛みもあって計25試合を欠場したモラント。いかに怪我を減らしていくかは今後の課題となりそうだ。