NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
昨季イースト最下位の22勝60敗に終わったオーランド・マジックにおけるオフの最大の目玉は、今年のドラフト全体1位指名のパオロ・バンケロだろう。208cm、113kgと恵まれた体格のビッグマンはポストプレイ、ペリメーターからのペネトレーション、3ポイントシュートと様々な得点スタイルを持っている。また、パス捌きの評価も高く、プレイメイカーとしても機能する万能型で、オフェンスの完成度は今ドラフトで最高と評価されていた。オフェンシブ・レーティングがリーグ29位(103.9)と苦しんだマジックにとって、実に頼もしい存在だ。 サマーリーグではわずか2試合の出場に終わったが、平均20.0点、5.0リバウンド、6.0アシストとオールラウンダーとして首脳陣を唸らせた。すでに新人王最右翼と期待が膨らむなか、結果を残せるのか注目だ。
ドラフト以外に補強はせず、ギャリー・ハリスとモー・バンバの再契約のみでメンバーにほとんど変わりはない。それでもチームトップの平均16.3点を挙げたコール・アンソニー、シーズンダブルダブル(平均15点、10.5リバウンド)を記録したウェンデル・カーターJr.、万能フォワードのフランツ・バグナーと注目の若手が揃っている。 特にガードはアンソニー、ハリス以外にも、ジェイレン・サッグスとマーケル・フルツもおり、熾烈なポジション争いが予想される。勝利という結果はまだついてこないと思われるが、今後誰がチームを背負っていくのかを見極める重要なシーズンになるだろう。
ビッグマンの起用法も気になるポイントだ。バンケロとバグナーが先発に入るのはほぼ確定事項なだけに、センターの残り1枠がカギとなるが、有力視されるのは5年目を迎えるカーターJr.。主にパワーフォワードとして先発した昨季は、リーグ15位タイのダブルダブル33回を挙げるなど実績で頭一つ抜け出している。対抗馬である同じ2018年ドラフト組のバンバは、まだ荒削り感は拭えないものの、昨季キャリア最多の平均10.6点、8.1リバウンド、3ポイント成功率38.1%の成績を残した。ウイングスパン239cmと言われるそのサイズを生かしたリムプロテクションと、3ポイントを射抜くシュート力には大きな魅力を感じさせる。 ジャマール・モーズリーHC(ヘッドコーチ)は「まだ確定させていないが、どういうラインアップを組めばいいのか模索していくのは楽しいね」と明言は避けたが、カーターJr.が優勢と予想する声が多い。シーズンを通して他選手との相性を見定めいくことになるが、どちらかは別のアセット獲得のための駒として放出されることもあるだろう。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:104.2(29位) 平均失点:112.2(20位) 得失点差:-8.0(27位) 平均リバウンド:44.3(14位) 平均アシスト:23.7(20位) 平均スティール:6.8(28位) 平均ブロック:4.5(20位) FG成功率:43.4%(28位) 3ポイント成功率:33.1%(28位) FT成功率:78.7%(11位) オフェンシブ・レーティング:103.9(29位) ディフェンシブ・レーティング:112.1(19位) ※カッコ内はリーグ順位