NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
オクラホマシティ・サンダーは過去2年、22勝50敗(カンファレンス15位)、24勝58敗(同13位)と低迷している。再建が続くなかで、チームの中心を担うのが24歳のシェイ・ギルジャス・アレクサンダーだ。4年目の昨季はキャリアハイの平均24.5得点、5.0リバウンド、5.9アシスト、1.3スティールを記録したが、過去2年間は91試合の出場のみと怪我が多いのが不安要素となっている。 日本時間9月22日(現地21日)には、左膝の内側側副靭帯にグレード2の捻挫を負ったと報道。10月8日(同7日)時点で走ったり、ジャンプしたりするまでには回復しているものの、身体のコンタクトを伴うトレーニングは行っていないという。開幕までに間に合うかは不透明で、エース不在となればシーズン序盤で大きな出遅れを余儀なくされそうだ。
今年はドラフト全体2位指名で新人チェット・ホルムグレンを獲得したが、右足リスフラン関節損傷のため2022-23シーズンの全休が決定。ファンにとっては再び厳しい1年になることが濃厚だが、そんななかでも期待を集めるのが2年目を迎えるジョシュ・ギディーだ。2021年のドラフト全体6位指名の19歳は、昨季54試合に出場して平均12.5得点、7.8リバウンド、6.4アシスト、トリプルダブル4回をマーク。相手の意表を突く予想外のパスも得意で、ボールを託される機会は増えるだろう。 昨季は序盤30試合で平均10.8得点、7.1リバウンド、6.1アシスト、FG成功率39%、FT成功率65%だったのに対し、2022年に入って以降の24試合では平均14.5得点、8.6リバウンド、6.8アシスト、FG成功率45%、FT成功率78%と数字は上がった。ただ、3ポイントとフリースローを考慮したシュート成功率を示すトゥルーシューティング%(TS%)は47.8%と低く、改善が必要なのは間違いない。とはいえ潜在能力は高く、ギルジャス・アレクサンダーの相棒としてどこまで存在感を高められるか見ものだ。
ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)とラッセル・ウェストブルック(ロサンゼルス・レイカーズ)が退団後、アイデンティティ探求は続いている。今のサンダーはリーグで最も若いチームで、まだ2029年までのドラフトで合計14もの1巡目指名権を保有している(プロテクション付きも含む)。 ギルジャス・アレキサンダー、ギディー、有望な若手のウイングプレイヤーの1人にして、5年総額8750万ドル(約127億円)で再契約したルーゲンツ・ドート、平均2桁得点を見込める4年目のダリアス・ベイズリーのほか、若手の活躍は最重要のファクターになる。 ホルムグレンの全休する分、全体11位指名のウスマン・ジェン、全体12位指名のジェイレン・ウィリアムズ、全体34位指名のジェイリン・ウィリアムズにはローテーション入りも望まれるところだ。 昨季のサンダーはFG成功率43.0%、3ポイント成功率32.3%ともにリーグ最下位。平均得点103.7とオフェンシブ・レーティング103.8も30位と得点力に課題を抱える。そこで、昨季までサンアントニオ・スパーズのアシスタントコーチを務め、若手のシューティングスキル向上に定評があるチップ・イングランドを招聘。スパーズでの17年間でトニー・パーカー、カワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)、デジャンテ・マレー(アトランタ・ホークス)のシュート精度をアップさせた実績があり、成長を加速させられるか注目が集まる。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:103.7(30位) 平均失点:111.8(15位) 得失点差:-8.1(28位) 平均リバウンド:45.6(6位) 平均アシスト:22.2(28位) 平均スティール:7.6(14位) 平均ブロック:4.6(16位) FG成功率:43.0%(30位) 3ポイント成功率:32.3%(30位) FT成功率:75.6%(24位) オフェンシブ・レーティング:103.8(30位) ディフェンシブ・レーティング:111.7(17位) ※カッコ内はリーグ順位