日本時間12月15日(現地14日)、ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーは、バスケットボールの聖地マディソン・スクエア・ガーデンで行われたニューヨーク・ニックス戦で通算3ポイント成功数の歴代最多記録を更新した。両親、そして前記録保持者であるレイ・アレン(元ボストン・セルティックスほか)、レジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ)などが見守るなか、待望の瞬間は第1クォーター残り7分33秒に訪れた。その日2本目の3ポイントを沈め、これまでトップの座を10年間維持していたアレンより511試合少ない789試合で新記録を樹立。名実ともに“史上最高のシューター”となったのだ。 「ここで決められて本当に特別だ」と試合後に安堵したカリー。周囲の期待が高まるなか「記録にこだわらず、自然体で試合に臨みたい」と語っていたが、記録更新まで残り10本となって以降は足踏みが続いた。 ニックス戦直前の2試合では、平均22点、5ターンオーバー、FG成功率35.0%(14/40)、3ポイント成功率27.6%(8/29)と苦戦。そんな姿を見たスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)も「ここ数試合では少し強引になりすぎている気がする。記録更新を意識し過ぎているように見えた」と、大黒柱が無意識に重圧を感じていることを気にかけていた。 記録更新直後のタイムアウト中には感極まって涙を見せるなど、ようやくプレッシャーから解き放たれたカリー。肩の荷が降り、これからは試合にのみ集中できるため、18日(同17日)のボストン・セルティックス戦では爆発的なパフォーマンスを期待したい。ウォリアーズ自体はセルティックスに5連敗中と苦手にしているが、カリーは例外だ。昨季は2度対戦し、初戦で38点、2試合目は11本の3ポイントを沈めて47点と圧倒的なパフォーマンスを披露。自身約1か月ぶりの40点超えも、十分可能性がある。 会場は10年前に、アレンがミラーの3ポイント記録を塗り替えたTDガーデン。先人たちの思い出が詰まった地で、そのバトンを受け継いだ“史上最高のシューター”はどのような活躍を見せてくれるのか。