【2021-22シーズン】全30チームプレビュー:ブルックリン・ネッツ

NBAは日本時間10月20日(現地19日)に、リーグ75周年となる2021-22シーズンが開幕する。NBA Rakutenでは節目となるシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。

NBA最強のビッグ3、試される指揮官の求心力

1月にジェームズ・ハーデンを電撃トレードで獲得し、ケビン・デュラント、カイリー・アービングと3人でオールスター出場合計18回を誇る超強力ビッグ3を形成したブルックリン・ネッツ。その圧倒的な破壊力から昨季はNBAチャンピオンに一番近い存在として大きな注目を浴びた。しかし、結果は“事実上のファイナル”とも喧伝されたミルウォーキー・バックスとのイースタン・カンファレンス準決勝で敗退。ハーデン、アービングが怪我で離脱する不運も重なり、結成1年目での優勝とはならなかった。 リベンジを期す今シーズンも優勝最有力候補として目されるなど、依然評価は高い。優勝を飾ったバックスを、ほぼハーデンとアービング不在の状態で第7戦まで追い込んだのだから当然だろう。 懸念されるのはケミストリーだ。昨シーズンは怪我や休養により、主軸3人が同時にコートに立ったのはプレイオフ含めわずか13試合。そこで10勝3敗と好成績を残したがサンプルは少なく、エゴの強いオフェンスマシンの3人が1年間問題を起こさず共存できるかは未知数だ。そのためスティーブ・ナッシュHC(ヘッドコーチ)の手腕には注目が集まる。マイク・ダントーニ(退任)、アイメ・ウドカ(ボストン・セルティックスHC)という頼れるアシスタントがチームを去ったなか、改めてその求心力が試される。

完全復活のデュラント、オフの勢いを維持できるか

ビッグ3の中でも、デュラントがチームの中心になっていくのは間違いないだろう。2019年のNBAファイナルでアキレス腱を断裂し、1年以上のリハビリを経て復帰した昨季は、レギュラーシーズンではわずか35試合の出場だったが、プレイオフでは1度も休むことなく、平均34.3得点と史上最高のスコアラーとも称されるその実力が健在だと証明した。 シーズン終了後は8月にチームと4年の契約延長を締結。さらにはアメリカ代表として参加した東京オリンピックでは、大会MVPに輝く活躍で金メダルを獲得。充実のオフを過ごしたスーパースコアラーに懸かる期待は、より一層大きくなっている。

頼れるベテラン勢加入で戦力底上げに成功

しかし、いくらビッグ3が強力であろうと、3人では勝てないのがバスケだ。その点抜け目のないネッツは、積極的にロールプレイヤーの獲得に動いた。プレイオフで活躍したブレイク・グリフィン、ブルース・ブラウンとの再契約を真っ先に済ませると、FAではパティ・ミルズを獲得し、手薄だった控えポイントガードを補強。さらには4度のオールスター経験があるビッグマンのポール・ミルサップとも契約するなど、チームの底上げに成功した。 順調に補強を進めるネッツだが、課題はディフェンスとリバウンドだ。昨季のディフェンシブ・レーティングはリーグ22位の113.1と低迷。さらに平均被オフェンシブ・リバウンドは平均10.5本(26位)も取られており、セカンドチャンスからの失点も15.3点(30位)と無駄な失点が多かった。引退していたラマーカス・オルドリッジの復帰はプラスだが、チーム全員でリバウンドの意識を高めることが必要となるだろう。 それでも紙面上のポテンシャルは、イーストでは頭一つ抜けている。結成2年目のビッグ3を軸に、どのような戦いを見せるのか要注目だ。


移籍情報

【入団・再契約】カッコ内は昨季所属チーム、またはドラフト順位 パティ・ミルズ(スパーズ) ディアンドレ・ベンブリー(ラプターズ) ジェームズ・ジョンソン(ペリカンズ) ジェボン・カーター(サンズ) デイビッド・デュークJr.(ドラフト外) ラマーカス・オルドリッジ(引退→復帰) キャメロン・トーマス(1巡目27位) デイロン・シャープ(1巡目29位、サンズ経由) ケスラー・エドワーズ(2巡目44位) マーカス・ゼガラウスキー(2巡目49位) レイクワン・グレイ(2巡目59位) セクー・ドゥムブヤ(ピストンズ) ポール・ミルサップ(ナゲッツ) ブレイク・グリフィン(再契約) ブルース・ブラウン(再契約) 【退団】カッコ内は今季所属チーム ジェフ・グリーン(ナゲッツ) ランドリー・シャメット(サンズ) スペンサー・ディンウィンディー(ウィザーズ) クリス・チオーザ(ウォリアーズ) ディアンドレ・ジョーダン(ピストンズ〔解雇〕→レイカーズ) アリゼ・ジョンソン(解雇) 【フリーエージェント】カッコ内はFAの種類 マイク・ジェームズ(制限なし) タイラー・ジョンソン(制限なし) ティモテイ・ルワウ キャバロ(制限なし) レジー・ペリー(制限付き)


2020-21シーズン成績

レギュラーシーズン:48勝24敗(.667/イースト2位) プレイオフ:7勝5敗(.583/イースト準決勝敗退) ■チームスタッツ 平均得点:118.6(2位) 平均失点:114.1(21位) 得失点差:+4.5(7位) 平均リバウンド:44.4(14位) 平均アシスト:26.8(7位) 平均スティール:6.7(27位) 平均ブロック:5.3(7位) FG成功率:49.4%(1位) 3ポイント成功率:39.2%(2位) FT成功率:80.4%(6位) オフェンシブ・レーティング:117.3(1位) ディフェンシブ・レーティング:113.1(22位) ※カッコ内はリーグ順位

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