「コーチになるつもりはなかった」 スティーブ・ナッシュがHC時代を振り返る

先日、元NBA選手のゴラン・ドラギッチの引退イベントがスロベニアで行なわれ、多くの選手が現地へ駆けつけた。フェニックス・サンズ時代にチームメイトだったスティーブ・ナッシュもその1人。MVPを受賞するなど輝かしい現役生活を送ったあと、ブルックリン・ネッツでヘッドコーチを務めたが、再びコートサイドからチームを指揮するつもりはないようだ。『Eurohoops』のインタビューで明かしている。 「コーチングするということは素晴らしい経験だった。ただコーチとしてのキャリアを歩みたいとは思っていない。子どもたちに人生について教えているよ。自分の家族の事にフォーカスしているんだ」 ナッシュがHCとして指揮していたネッツには、当時ケビン・デュラント、カイリー・アービング、ジェームズ・ハーデンといったスーパースターが在籍していた。個性の強いメンバーを束ねる苦労があったことを認めている。 「コーチになるつもりはなかったけど、ブルックリンでの特異な状況が私のドアをノックしたんだ。フロントオフィス、選手、エージェントの間で多くの個性をマネジメントするんだ。それが私の仕事の大きな部分だった。私にとってリーダーシップの役割について模範を示すのは簡単だったんだけど、コーチングの観点からだとそれはまったく違うものなんだ。短時間でチームをリードしなければいけない。試合前、ハーフタイム、試合後の5分、チームに話しかけるのはその時だけ。もっと選手一人ひとりと繋がりたかったね」 ナッシュがネッツを率いた間、2020-21シーズンは48勝、2021-22シーズンは44勝と2シーズン連続で勝率5割を超えプレイオフに駒を進めたが、就任3シーズン目は2勝5敗と出遅れて開幕早々に解雇されていた。その後は本人も語った通り家族と過ごす時間を優先している。コーチとしては未練がないようなので、しばらくはコートサイドに立つナッシュを見かける機会はなさそうだ。

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