8月9日、パリ五輪バスケットボール男子準決勝のアメリカ対セルビア戦が行なわれ、95-91でアメリカが勝利した。 試合は序盤からセルビアがリードする展開だった。第2クォーター途中には最大17点差をつけ、第3クォーター終了時点でも76-63とアメリカに2桁点差をつけたままラストの10分を迎えた。 しかし、ここからアメリカが意地を見せる。3ポイントでオフェンスをつないできたステフィン・カリーが引き続き得点を積み重ねれば、レブロン・ジェームズは二コラ・ヨキッチをマークしつつオフェンスをプッシュ。そしてケビン・デュラントやジョエル・エンビードは要所でシュートを沈めるなど、セルビアに対して猛攻を仕掛けたのだ。 試合残り2分24秒でジェームズからアシストを受けたカリーが3ポイントを決め、ついに逆転。その後セルビアもボグダン・ボグダノビッチやヨキッチのシュートで1ポゼッション差に迫るものの、最後は試合残り8秒でカリーがフリースロー2本を沈めて4点差とし、勝負あり。アメリカが大逆転勝利を収めた。なお、この試合を通してアメリカがリードを奪っていたのは、わずか3分25秒だけだった。 チーム最長の33分プレイしたカリーは3ポイントを14本中9本沈め、ゲームハイの36点をマーク。ジェームズは32分プレイして16点、12リバウンド、10アシストのトリプルダブルを達成した。エンビードが19点、デュラントが9点を挙げている。 ジェームズは、「チームのためにアグレッシブにプレイした。チームメイトも僕のことを信じてくれていた。最終目標まであと1試合、土曜日(日本時間では日曜早朝4時開催)の試合が楽しみだよ」と、決勝戦への意気込みを語った。 「これまで多くのチームUSAのバスケットボールを見てきたけど、あれは特別なものだった」と、第4クォーターでの逆転劇を振り返ったカリーは、自身の3ポイントについてもコメントしている。 「今大会はあまりチャンスがなかったし、シュートもあまり打てなかった。でも、その瞬間を迎える自信は揺るがないし、今日は試合開始直後から何本かいいシュートが打てた。第4クォーターでのシュートは、ジョエルが素晴らしいスクリーンをセットしてくれたんだ。今夜僕が何回シュートを打とうが、自信さえ持っていれば問題ない」 セルビアはヨキッチが38分出場して17点、5リバウンド、11アシストとオールラウンドに活躍。4試合連続でダブルダブルを達成したのは、1992年のバルセロナ五輪以降では初の選手となった。また、ボグダノビッチは20点をマークしている。 ドイツとフランスによる準決勝のもう1試合は、開催国フランスが73-69で勝利。決勝は東京五輪と同じく、アメリカとフランスが対決することとなった。