日本時間8月11日(日)午前4時30分から、パリオリンピックのバスケットボール男子決勝戦が開催される(TVerにてライブ配信)。約2週間にわたる大会を勝ち上がってきたのは、アメリカ代表(FIBAランク1位)とフランス代表(FIBAランク9位)。両者がオリンピックの決勝で対戦するのは、東京オリンピックに続けて2大会連続となる。 アメリカはオリンピックでは2008年の北京オリンピックから4連覇と、圧倒的な強さを誇る。準決勝のセルビア戦では最大17点差をつけられるも、スターパワーで大逆転。大黒柱である39歳のレブロン・ジェームズを筆頭に、ケビン・デュラント、ステフィン・カリーなどを揃えた、「現代版ドリームチーム」で5連覇を目指す。 対するフランスが視界にとらえるのは、史上3か国目となる開催国の金メダル獲得だ。準々決勝では多くのNBA選手を擁するカナダ、準決勝では昨年のワールドカップ王者であるドイツと、難敵を立て続けに撃破。若きエースのビクター・ウェンバンヤマを中心に、東京オリンピックでは果たせなかった“絶対王者”アメリカの撃破を狙う。
圧倒的なタレント力を誇るアメリカは、平均得点(106.8点と)で2位のセルビアを12点以上離すなど、その得点力は群を抜いている。スーパースター揃いのチームの牽引役は、やはりと言うべきか、最年長の“キング”ジェームズだ。 ここまで平均14.2点、7リバウンド、8.2アシストと、主要3項目でチームトップという圧巻のパフォーマンスを披露している。また、守備では激しく相手をマークし、リバウンドも積極的に絡むなど、キャプテンとして献身的なプレイでチームを盛り立てている。
さらにアメリカの好材料はカリーの復調だ。稀代のシューターは準決勝前の4試合で平均7.3点、FG成功率36%、3ポイント成功率20%と不調だったが、セルビア戦では、9本の3ポイントを沈めて36点と大爆発。ようやく本来の力を発揮した36歳は「ホームのファンを背に、彼らは最高のパフォーマンスを出すはずだ」と、決勝であたるフランスを警戒するも、「我々もしっかりゲームプランを練って、集中していくよ」と、自身初の金メダル獲得へ意気込んでいる。
フランスはウェンバンヤマがここまで平均13.8点、10.2リバウンド、3.6アシスト、2.2スティール、2ブロックと、ほぼ全ての項目でチーム最多の数字をマーク。だが、決勝トーナメント以降は、2戦で平均9点、FG成功率22.2%、3ポイント成功率7%と絶不調。徹底マークにあい、自分のリズムを掴めていない。
若きエースが不振のなか、ステップアップしたのはガーション・ヤブセレとイサイア・コルディニエの中堅2人だ。直近2戦でヤブセレは19.5点、コルディニエは18点とフランスの攻撃を支えている。他にもエバン・フォーニエ、ニコラ・バトゥーム、ルディ・ゴベアと経験豊富なNBA組がいるのも心強い。 ウェンバンヤマは「歴史を塗り替える一生に一度のチャンスだ。全身全霊をかけて戦う」と、大一番を前に気合は十分。チーム一丸でアメリカ撃破に挑む。