「NBA Rakuten」では9月中旬まで、毎週末にNBAレジェンドをフィーチャーしたクラシックゲームを配信する。今週末は、驚異的なシュート力とボールハンドリングで得点を量産するジェームズ・ハーデン(ブルックリン・ネッツ)の、ヒューストン・ロケッツ時代の名勝負をお届け。 2009年のドラフト全体3位指名でオクラホマシティ・サンダーに入団したハーデンは、ケビン・デュラント(現ネッツ)、ラッセル・ウェストブルック(現ロサンゼルス・レイカーズ)とともにビッグ3を形成。しかし、スーパーサブの域を抜け出せず、中心選手としてプレイできる場を求めて2012年10月にトレードでヒューストン・ロケッツの一員となった。 ロケッツではすぐさまエースに定着すると、秘めたる得点能力が開花。2012-13シーズンから8年連続で平均25得点以上、2017-18シーズンからは史上8人目の3年連続得点王(平均30.4得点→36.1得点→34.3得点)に輝き、リーグを代表するスーパースターとしての地位を確立した。昨季途中に電撃トレードでネッツへ移籍し、ケビン・デュラント、カイリー・アービングとの強力トリオでタイトルを狙う。 現代随一の得点製造機ハーデンのキャリアを振り返るにあたり、NBA史に残る名場面が生まれた伝説の2試合を紹介する。
レブロン・ジェームズのレイカーズ本拠地デビュー戦は、“キング降臨”が霞む予想外の展開となった。 一つは、第4クォーター残り4分13秒に起きた乱闘騒動。レイカーズのラジョン・ロンドがロケッツのクリス・ポールに唾をはきかけたことで両者がパンチを見舞い合い、乱闘をエスカレートさせたブランドン・イングラムを含めて出場停止処分となった。 そのなかで、プレイ面で主役の座を奪ったのがハーデンだった。乱闘で10分間の中断があったあと、15-8のランの中で終盤に勝負を決める3ポイントをヒット。ポールとのガードコンビでチーム総得点の50%以上に相当する64得点を叩き出し、難敵レイカーズにロケッツの強さを印象づけた。
2018-19シーズンのレイカーズとの再戦は、またもハーデンがスポットライトを浴びた。リードが入れ替わるシーソーゲームのなか、第4クォーター残り4分57秒からクリス・ポールに代わって登場して15得点を叩き出し、17-7のランを演出。29得点のレブロン・ジェームズをはるかに上回り、50得点超での通算37回目となるトリプルダブルを達成した。 レイカーズ相手の50得点以上を複数回記録したのは、偉人ウィルト・チェンバレンに続いて2人目。同シーズン、ハーデンは平均36.1得点で得点王に獲得したが、驚異のスコアリング能力を象徴するゲームの一つとなった。 ハーデンは試合後、「このリーグで、1試合45、46分間プレイするのは誰しも難しい。チームメイトたちは素晴らしい選手。俺は少し休んでエネルギーを取り戻し、良いプレイをする準備はできていた」と語り、ベンチで休んでいる間に奮闘した同僚を労った。