昨季王者のトロント・ラプターズは、7月30日(日本時間31日)から再開されるシーズンで史上8チーム目の2連覇を目指す。なかでも、司令塔カイル・ラウリーのリーダーシップへの期待は大きい。ニック・ナースHC(ヘッドコーチ)がその模範的な姿勢を称賛している。 「カイルは『この現実、プロトコルを真剣に受け止めて、スマートにやろう』と言うだろう。チームメイトたちもそれに共鳴する。ラプターズは間違いなくカイルのチームだ。彼の周囲に配慮する力、インテリジェンスは向上している。彼がチームリーダーであることは間違いなく良い方向に進んでいる」
開幕前に昨季ファイナルMVPのカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)、守備職人のダニー・グリーン(現ロサンゼルス・レイカーズ)が退団し、ラプターズは戦力ダウンが囁かれた。しかし、蓋を開けてみれば、4年目のパスカル・シアカムが平均23.6得点、7.5リバウンド、3.6アシストを挙げて新エースとして台頭。ラウリー、フレッド・バンブリード、ノーマン・パウエル、サージ・イバカ、OG・アヌノビーらも平均二桁得点で続き、ミルウォーキー・バックスに次ぐカンファレンス2位(46勝18敗)の好位置につけている。 カナダに拠点を置くラプターズは、渡航規制の問題があるため、6月下旬に集中開催地のフロリダ州オーランドに入っており、約1カ月間トレーニングを積んできた。『TSN』によれば、ラウリーは13日(同14日)にリーグ中断後初のメディア対応を行い、“バブル”(隔離地域)の環境を整えたNBAを称えるコメントを残したという。 「僕らの健康や安全対策に関するプロトコルは信じられないほどで、最高なものだ。完璧に機能すると思う。リーグと選手会は、シーズン再開において驚異的な仕事をした。僕ら選手はハイレベルな仕事をすることができる。僕は元気だ。家族も元気で、バスケットボールもできる。何も文句を言うことはできない」 ラウリーは、2006年のドラフト1巡目24位指名でNBA入り。メンフィス・グリズリーズ、ヒューストン・ロケッツでプレイしたキャリア序盤は、ロールプレイヤーの域をなかなか出なかったが、2012年にトレードされたラプターズで才能が開花。加入2年目に平均17.9得点と躍進すると、その翌シーズンから6年連続でオールスターに選出されるなど、スター選手の仲間入りを果たし、昨季はチーム悲願の初優勝に大きく貢献した。 再開するシーズンでは過去に例のない状況下で戦うことが強いられるだけに、経験豊富なラウリーのリーダーシップはラプターズの大きな強みとなるはずだ。