マイアミ・ヒートのタイラー・ヒーローは今シーズン、新人ながら平均12.9得点、4.0リバウンド、1.9アシストの成績を残し、イースタン・カンファレンス4位(41勝24敗)につけるチームをスーパーサブとして支えてきた。そんな20歳の新星が、ポートランド・トレイルブレイザーズのCJ・マッカラムがホストを務めるポッドキャスト『PULL UP』に出演して今シーズンを振り返っている。 名門ケンタッキー大から2019年のドラフト1巡目13位指名でヒート入りしたヒーローは、開幕戦でスタメンに抜擢されて14得点、8リバウンドと上々のNBAデビューを飾った。シーズン途中からはセカンドユニットの中軸へ配置転換。2月から右足首の負傷で15試合を欠場したが、チーム6位の平均得点に加え、3ポイント成功率も39.1%を記録するなど、重要なピースとなっている。 ヒーローと言えば、昨年12月8日(日本時間9日)のシカゴ・ブルズ戦で決勝弾を沈めるなど勝負強さが特長の一つだが、エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)からオフェンスに関しての要求はほどんどないという。 「スポ(スポールストラHCの愛称)はこれまで指導を受けたコーチとは異なり、独特な方法でアプローチしてくる。毎日僕に付き添い、常にディフェンスを要求する。彼は僕のオフェンスをまったく気にかけないんだ。毎日守備のことを言っているよ。カル(ケンタッキー大のジョン・カリパリHCの愛称)ほど怒鳴ったりしないかな」 新型コロナウイルスの感染拡大により、NBAは3月12日(同13日)からシーズンが中断中。アメリカでは国家非常事態宣言が出されており、各地でロックダウン(都市封鎖)が行われて外出規制がかかっている。チームの練習施設を使えない選手たちは自宅で調整する日々を強いられているが、最近、ヒーローの元にスポールストラHCから電話があったという。 「スポは僕がルーティンを続けているか確認したかったんだ。それが今できる一番大きなことだと言っていた。本を読むにしても、ほかのことをするにしても、有意義な時間を過ごさないといけない。(自宅待機が続く)この間も、違った方法で自分を磨こうとしている。毎朝アリーナに行くのが僕のルーティンの一つだった。早く起きてアリーナに行き、練習の前にシュートを打つのがね。今では午前11時に『Zoom』を使ってリビングでチームのワークアウトをしている。あとは外で少しスプリントをしたりして、できるだけコンディションを保つようにしているよ」 非凡なシュート力を持つスコアリングSGのヒーローは、スポールストラHCの下で守備もできる万能選手への階段を一歩ずつ上がっている。