ワシントン・ウィザーズの八村塁は、日本代表の一員として出場したFIBAワールドカップで大活躍した。世界ランク48位で今大会を迎えた日本代表は苦戦を強いられたが、強いハートでプレーする姿勢を世界に見せつけた。 日本代表はワールドカップで0勝5敗だったものの、八村は3試合に出場して1試合平均13.3得点、5.7リバウンド、2.3アシストという成績を残し、チェコ共和国戦では21得点、6リバウンド(フィールドゴール12本中8本成功)をたたき出した。 グループラウンドで日本代表と対戦したアメリカ代表のスティーブ・カーAC(アシスタント・コーチ)は、八村について「信じられないほどの運動能力を持っている。生まれながらの能力は充分に持っているので、これからはスキルを磨いていくことになる。成長を見るのが楽しみだ。彼には明るい未来が待っている」とコメントしている。 八村と渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)を擁する日本代表は、2006年以来となる通算5回目のFIBAワールドカップ出場を果たした。そして来年には、1976年以来となるオリンピック・ゲームを経験する。 NBAキャリアをスタートする前から日本国内でフィーバーを巻き起こしている八村だが、今回のFIBAワールドカップでは苦戦する場面も見られた。日本代表のエースとして徹底マークをされた八村は、相手のダブルチームに対してファウルを誘ったり(3試合でフリースローを20本試投)、フリーの相手を見つけてパスをすることで何とか対処した。ウィザーズではオールスター選手のブラッドリー・ビールらがいるので彼にマークが集中することは無いと思われるが、八村に成長の余地が残されていることが浮き彫りになったのも確かだ。 日本代表の最年少選手でありながら、八村はリーダーとして今大会の結果を重く受け止めている。彼は今回の結果について一切の弁解はせず、2020年の東京オリンピックに向けた改善点に気持ちを切り替えているようだ。 「どれだけタフな相手と対戦しなくてはならないのか、ということを再認識しました。我々は、この結果を受け止めて先に進まなければいけません。日本だけでなく、アジア各国が、世界との差を縮めていく必要があります」 また、八村は今大会の経験をNBAシーズンに生かそうと考えているようだ。彼は再び学び手としての気持ちに切り替えて、NBAのトレーニングキャンプで様々なことを吸収しようと考えている。どんな挑戦が待ち受けていようと、彼はそれを受け止める準備ができている。 「NBAのシーズンが本当に楽しみです。自分ができる最高の準備を整えてキャンプに望みます。チームにどれだけのことを望まれているかは分かりませんが、自分ができるベストを尽くします」