NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
クリーブランド・キャバリアーズ(以下キャブズ)は昨季、前年から勝ち星を2倍(22勝→44勝)に伸ばし、5シーズンぶりの勝ち越しと躍進したが、シーズンラストの24試合で8勝16敗と失速。プレイイン・トーナメントでも2連敗を喫してプレイオフ進出を逃した。 新シーズンで5年ぶりのポストシーズン出場を目指すなか、大型トレードでユタ・ジャズからドノバン・ミッチェルを獲得。昨季平均25.9点を記録したリーグ屈指のスコアラーの補強は大きな戦力アップになった。自己最多の平均得点(21.7点)、アシスト(8.6)を挙げ、オフに5年総額1億9300万ドル(約276億6000万円)のマックス契約を結んだダリアス・ガーランドと組むバックコートはイースト屈指の破壊力を誇る。 ガーランドとミッチェルに加えて、昨季オールルーキー1stチームに選出されたエバン・モーブリー、ガーランドと抜群の相性を誇るジャレット・アレン、JB・ビッカースタッフHC(ヘッドコーチ)が「リーグ屈指のオンボール・ディフェンダー」と称賛するアイザック・オコロ、ベンチにも得点力に優れたキャリス・ルバート、ベテランで存在感が光るケビン・ラブが控えており、イーストの強豪と戦える戦力が揃った。また、昨季途中までチームでプレイしていたベテランのリッキー・ルビオ(昨季は負傷後にインディアナ・ペイサーズにトレード)をフリーエージェントで再度獲得し、ガーランドのサポートも強化。チーム内のケミストリーが深まれば、イーストの上位に食い込む可能性は十分にあるだろう。
キャブズのストロングポイントは、モーブリーとアレンの高さを生かしたディフェンスだ。昨季、ディフェンシブ・レーティングはリーグ5位(108.9)、制限区域内の被FG%はリーグトップ(60.5%)と好成績をマーク。ツインタワーの一角であるモーブリーはペイント内だけでなく、ガードとのミスマッチでも長いリーチと機動力を駆使して対応できる万能性もある。 アレンは身体能力の高さを武器にブロックやリバウンドなどペイント内を死守。欠場した試合で9勝18敗(プレイイン・トーナメント含む)と負け越していることが、その影響の大きさを物語っている。両ツインタワーが怪我なく、シーズンを通して出場できれば、ディフェンスが大きく崩れることはないだろう。
その一方で、オフェンシブ・レーティングはリーグ20位(111.0)と苦戦。特にリーダーとしても頼りにされていたルビオが怪我でシーズン途中に離脱して以降、ガーランド以外に頼れるプレイメイカーがおらず、司令塔にかかる負担を軽減することは今オフにおける大きなミッションだった。そしてミッチェルの獲得とルビオの再加入は、それを解決し得る動きだと言える。 特にミッチェルは、必要な時はプレイメイカーとして、そしてオフボール時はシューターとしても活躍が見込めるだけに、ガーランドにとって最高のパートナーとなるかもしれない。チームとしてのオフェンスのレパートリーも増えてくるはずだ。もちろんコート上で2人が共存できることを示さなければいけないが、期待せざるを得ないポテンシャルを秘めているのは間違いない。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:107.8(25位) 平均失点:105.7(5位) 得失点差:+2.1(13位) 平均リバウンド:44.2(15位) 平均アシスト:25.2(11位) 平均スティール:7.1(26位) 平均ブロック:4.2(24位) FG成功率:46.9%(9位) 3ポイント成功率:35.5%(15位) FT成功率:76.0%(21位) オフェンシブ・レーティング:111.0(20位) ディフェンシブ・レーティング:108.9(5位) ※カッコ内はリーグ順位