NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
昨季、ダラス・マーベリックス(以下マブズ)はシーズン途中にクリスタプス・ポルジンギスを放出し、今夏にはチーム2位の平均16.3得点を記録したジェイレン・ブランソンが無制限FA(フリーエージェント)でニューヨーク・ニックスへ去った。大黒柱のルカ・ドンチッチに次ぐ軸をしっかりと作れるかは、不可欠なミッションと言っていい。 ドンチッチはNBA4年目の昨季、相手の厳しいマークに遭いながらも、平均28.4得点、9.1リバウンド、8.7アシスト、1.2スティールと圧巻の成績を残し、チームを11年ぶりのカンファレンス決勝まで導いた。現役トップ5とも言われる実力者がいることで、大崩れはしないだろうが、長いシーズンの負担を軽減するためにも、ドンチッチの相棒は必要だ。
マブズにとって昨季誤算の一つだったのは、平均14.2得点を挙げていたティム・ハーダウェイJr.が1月に左足ジョーンズ骨折で手術を受け、復活できなかったことだ。新シーズンは健康をキープすること、そして2020-21シーズンに成功率39.1%を記録しながら、昨季は33.6%に大幅ダウンとなった3ポイントの精度を取り戻すことは、チームの出来を左右することになるだろう。 一方、数少ない新戦力で期待されるのはクリスチャン・ウッドだ。インサイドでも、アウトサイドでも仕掛けられる26歳のビッグマンはNBA6年目の昨季、平均17.9得点、10.1リバウンドと自身初のシーズン・ダブルダブルを達成した。もっとも、ドンチッチに次ぐオプションになる可能性があるとはいえ、残念ながらスターになるポテンシャルではなく、ロールプレイヤーとして生きるタイプ。スペンサー・ディンウィディらを含めて、総合力でエースをバックアップしていくことになりそうだ。
ドンチッチがいることで攻撃の印象が強いマブズだが、昨季は平均失点でリーグ2位(104.7)、ディフェンシブ・レーティングで同7位(109.1)とディフェンスで一目置かれる結果を残した。ブランソンが退団したとはいえ、ドンチッチが健在な限りはオフェンスの水準キープは可能。守備力を保つことが、プレイオフ進出争いに向けて絶対条件となる。 ドリアン・フィニー・スミス、レジー・ブロックの堅実なペリメーターディフェンス、マキシ・クレーバーと新戦力ジャベール・マギーのペイント内の守備はある程度計算できる。ジェイソン・キッドHC(ヘッドコーチ)はドンチッチに対してもディフェンシブ・エンドでの奮闘を求めており、意識改革の行方にも注目が集まる。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:108.0(24位) 平均失点:104.7(2位) 得失点差:+3.3(8位) 平均リバウンド:43.0(24位) 平均アシスト:23.4(25位) 平均スティール:6.7(29位) 平均ブロック:4.0(28位) FG成功率:46.1%(18位) 3ポイント成功率:35.0%(19位) FT成功率:77.1%(16位) オフェンシブ・レーティング:112.5(14位) ディフェンシブ・レーティング:109.1(7位) ※カッコ内はリーグ順位