ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは、今季もリーグ2位の平均29.4得点、同7位の11.2リバウンド、6.0アシスト、1.0スティール、1.4ブロック、フィールドゴール成功率54.7%とMVP級の働きを見せている。現代屈指のオールラウンダーの実力に疑いの余地はないが、1985~2004年にプレイした元NBA選手のチャールズ・オークレーは、かつてなら今ほど活躍できないとの見解を示している。 2013年のドラフト1巡目15位でバックスに入団したアデトクンボは、2年目の2014-15シーズンから先発に定着し、16-17シーズンには平均20点をクリア。同年から6年連続でオールスター出場、17-18シーズンからは平均20点、10リバウンド以上を挙げ、19、20年には史上12人目となる2年連続MVPも受賞した。 アデトクンボの唯一の弱点がロングシュートで、3ポイントの通算成功率は29.0%と高くない。現役時代にマイケル・ジョーダンやスコッティ・ピッペン、ビンス・カーターらと一緒にプレイした経験を持つオークレーは、ポッドキャスト『No Pump Fakes』でアデトクンボに厳しい意見を突き付けている。 「当時だと彼は力を発揮できないだろう。対戦相手は彼にジャンプショットを撃たせるから苦労したはずだ。今のようにユーロステップからレイアップを狙っても、誰かにぶつかってしまう。彼の進化は嬉しいが、当時ならばベンチスタートかもしれない」 奇しくも、1998-99シーズンから2年間、トロント・ラプターズでオークレーと同僚だったトレイシー・マグレディも、ポッドキャスト『The Big Podcast with Shaq』で「俺の時代はリーグ全体のディフェンスも素晴らしく、ペイント内にマークが収縮していた。今でこそジャンプショットは少し改善されたが、かつての彼が今の姿になるのは相当大変だったと思う」と、同様の見解を述べていた。 とはいえ、アデトクンボもまだ27歳。今後のキャリアでシュートレンジを広げ、周囲の雑音をかき消せるだろうか。