フィラデルフィア・76ers(以下シクサーズ)は、大型司令塔ベン・シモンズが移籍要求や練習拒否などで試合に出場していない状況が続くなか、開幕9試合で7勝2敗と好成績を残している。大黒柱のジョエル・エンビードは、攻撃に関する自身の“スロースタート”は気にかけていないと話した。『USAトゥデー』のカイ・カーリン記者が伝えている。 エンビードは言わずと知れた現代NBA屈指のビッグセンターだ。昨季はリーグ4位の平均28.5得点、10.6リバウンドとイーストの第1シード(49勝23敗)獲得に大きく貢献し、シーズンMVPの候補にも挙がった。 今季も9試合終了時点でチームトップの平均20.4得点を記録している一方、フィールドゴール成功率は昨季の51.3%から41.2%に大幅ダウン。ミドルレンジのシュート成功率も49.1%→37.8%と落ちている。 相棒シモンズの不在、オフィシャルボールがスポルティング製からウィルソン製へ変更されたことなど、様々な要因が考えられるが、エンビードはスター選手らしく、しっかりと自身にベクトルを向けている。 「俺は常に言い訳を探しているわけじゃないけど、ボールが(これまでと)違うのはたしかだ。まだ完全にフィットしているわけではない。ただ、これもプロセス。毎日ハードに練習して、そこでシュートを決める。昨シーズン、俺はリーグ最高のミドルレンジジャンパーだったから、心配せずともいつか調子は戻るだろう」 チームの指揮を執るドック・リバースHC(ヘッドコーチ)も、「ジョエルは素晴らしい選手。心配するつもりはない」とエースに信頼を寄せている。 シモンズ問題で揺れるなかでも、攻守に安定した戦いを見せているシクサーズ。エンビードは、「毎日、改善に取り組むだけだ。それが戻れば、俺が昨シーズンに示したオフェンス能力と今年のディフェンスでの存在感がミックスされ、チームもさらにステップアップするだろう」と、力強くチームを牽引していくことを誓っていた。