NBAは日本時間10月20日(現地19日)に、リーグ75周年となる2021-22シーズンが開幕する。NBA Rakutenでは節目となるシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
昨季フィラデルフィア・76ers(以下シクサーズ)は、2000-01シーズン以来となるイースト第1シードを獲得した。しかし、優勝候補の一角として臨んだプレイオフでは、直近4年で3回目のカンファレンス準決勝敗退。レギュラーシーズンの勢いを活かせないシーズンが続いている。 今季こそ鬼門を突破したいところだが、大きな問題となっているのがベン・シモンズの去就だ。ジョエル・エンビードと2枚看板を組む大型司令塔は、トレーニングキャンプ前に他チームへの移籍を要求し、キャンプにも不参加だった。フロントもトレードを模索するが、消極的なプレイに終始した昨ポストシーズンで評価は下落。また、4年総額1億4700万ドルの契約もネックとなり、開幕約1週間前となっても受け取り先は見つかっていない。
現状はチームへの復帰が噂されるシモンズだが、ケミストリーを考慮するとシーズン中に放出される可能性はゼロではない。ドック・リバースHC(ヘッドコーチ)はシモンズがいなくなる事を見越して、2年目のタイリース・マクシーをキャンプから先発ガードとして起用している。 マクシーは昨季平均15.3分の出場で8.0得点を記録するなど、どちらかと言えば点取り屋としての印象が強い。それでも指揮官はボストン・セルティックス時代に指導したラジョン・ロンド(現ロサンゼルス・レイカーズ)の姿をマクシーに重ね、「スコアラーとしてこれまで通り積極さを失わないで欲しいが、同時に仲間を活かさなければならない時がきた」と奮起を促している。 ケンタッキー大の先輩と比較されたマクシー本人も「味方を活かしつつ、自分もオフェンスに絡んでいく方法を模索している」と、試行錯誤ながらも、司令塔としての出場に意欲を見せている。
シモンズを失った場合でも、シクサーズの実力がイースト屈指であることに変わりはないだろう。昨季平均28.5点、10.6リバウンドを挙げてMVP投票でも2位につけた大黒柱のジョエル・エンビードを筆頭に、攻守に優れる2ウェイプレイヤーとして評価を高めたトバイアス・ハリス、兄ステフィンに負けず劣らずのシュート精度を誇るセス・カリー、リーグ屈指のストッパーに成長したマティース・サイブル、さらにオフにはオールスター出場経験のあるアンドレ・ドラモンドと長距離砲が得意なジョージ・ニアンを獲得するなど、イーストを勝ち抜くだけの戦力は揃っている。 なんとかシモンズを説得し、再びチーム一丸となるのか。開幕後もシクサーズから目が離せない。
【入団・再契約】カッコ内は昨季所属チーム、またはドラフト順位 ジョージ・ニアン(ジャズ) アンドレ・ドラモンド(レイカーズ) シャキール・ハリソン(ナゲッツ) グラント・リラー(ホーネッツ) ジェイデン・スプリンガー(1巡目28位) フィリップ・ペトルシェフ(2巡目50位) チャールズ・バッシー(2巡目53位) アーロン・ヘンリー(ドラフト外) ダニー・グリーン(再契約) フルカン・コルクマズ(再契約) 【退団】カッコ内は今季所属チーム ジョージ・ヒル(解雇→バックス) ドワイト・ハワード(レイカーズ) アンソニー・トリバー(解雇) レイジョン・タッカー(解雇) ヘイウッド・ハイスミス(解雇) 【フリーエージェント】カッコ内はFAの種類 マイク・スコット(制限なし) ギャリー・クラーク(制限なし)
レギュラーシーズン:49勝23敗(.681/イースト1位) プレイオフ:7勝5敗(.583/イースト準決勝敗退) ■チームスタッツ 平均得点:113.6(14位) 平均失点:108.1(6位) 得失点差:+5.6(5位) 平均リバウンド:45.1(10位) 平均アシスト:23.7(22位) 平均スティール:9.1(2位) 平均ブロック:6.2(2位) FG成功率:47.6%(8位) 3ポイント成功率:37.4%(11位) FT成功率:76.7%(20位) オフェンシブ・レーティング:112.5(13位) ディフェンシブ・レーティング:107.0(2位) ※カッコ内はリーグ順位