NBAは新シーズンを迎えるにあたって、新型コロナウイルスのワクチン接種に関する問題が表面化している。ブルックリン・ネッツのカイリー・アービングは、ワクチン未接種の1人と目されているが、その動向に注目が集まっている。 NBA選手会(NBPA)のミシェル・ロバーツ事務局長によれば、選手の約90%がワクチンを接種済み。これは全米の平均接種率を上回っているが、NFL(93.7%)を下回る数値だ。 アメリカ有数の大都市であるニューヨークとサンフランシスコでは、プロアスリートが屋内のアリーナでプレイするためにはワクチン接種証明書の提出を義務化。ゴールデンステイト・ウォリアーズのアンドリュー・ウィギンズは、宗教的な理由による例外申告を提出したが、NBAは9月25日(現地24日)、サンフランシスコ市保健局の規定によりこれを却下した。 『Rolling Stone』のマット・サリバン記者は、リーグ情報筋によれば、50~60人の選手がまだ1回目のワクチン接種を受けていないとし、そのほとんどが消極的な姿勢を示しているだけだが、アービングは“陰謀説”に反応していると伝えている。 「NBA選手会の執行委員会の副会長を務めるアービングは、ワクチンの裏で秘密結社が暗躍し、黒人をマスターコンピューターに接続する『サタン計画』に利用していると陰謀説を主張する反ワクチン派のアカウントをフォローして、投稿に『いいね!』をし始めた。このモデルナワクチンに関するデマは、現役選手や殿堂入り選手、リーグエグゼクティブ、アリーナ関係者などによると、多くのNBAチームやグループチャットに広がっている」 アービングのスポークスマンは接種状況の回答を拒否し、アービング自身も『RollingStone』の問い合わせにメッセージを返していないという。このままワクチンを接種しなければ、アービングはネッツのホームゲームに出場できなくなる。ネッツのショーン・マークスGM(ジェネラルマネージャー)はプレシーズン初戦後には全選手がワクチン接種を済ませることに自信を見せているが、アービングはどのような決断を下すのだろうか。