昨季NBAファイナルに進出したフェニックス・サンズの快進撃を語るうえで、司令塔クリス・ポールの存在は欠かせない。開幕前の電撃トレードが結果的に大成功となったが、ポールも移籍の理由を明かしている。 ポールと言えば、2005年のドラフト全体4位指名でNBA入り以降、アシスト王に輝くこと計4回、史上5人目となる通算1万アシストをクリアするなど、リーグトップクラスのポイントガードとして君臨。五輪金メダル2回など数々の栄光を手にしてきたなかで、唯一手が届かなかったのがNBAファイナル進出とリーグ優勝だった。 そのなかで、昨季開幕前の11月、オクラホマシティ・サンダーからサンズへの電撃トレードが決定。ポールは元NBA選手のギルバート・アリナスがホストを務めるポッドキャスト『The No Chill』で、移籍の決め手について語っている。 「フェニックスに行こうと思った時、周囲の人たちは僕の考えを知らなかっただろうね」 ポールの中では、2010-11シーズンにニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)で指導を受けたモンティ・ウィリアムズHC(ヘッドコーチ)の存在が大きかったという。 「すでにモンティとは知り合いだったし、彼の考え方は分かっていた。僕たち選手は、ゲームのラスト1~2分間で、コーチがどういう指示をしてくれるかを知りたい。コーチがチームをしっかり機能させられているか、ディフェンスではどんなルールを設けているのかが大事なんだ」 レギュラーシーズンをウェスタン・カンファレンス2位(51勝21敗)で終えたサンズは、28年ぶりのNBAファイナル進出を果たすも、ミルウォーキー・バックスに敗れてフランチャイズ初の優勝は逃した。今オフに4年総額1億2000万ドル(約132億円)でサンズと契約を結び治したポールは、改めて頂点への思いを強めているようだ。 「勝たなければいけなかったし、チャンピオンシップを勝ち獲る必要がある。負けても平気なことなんてありえない。その強い気持ちが常に僕のエネルギーだ」 2021-22シーズンもデビン・ブッカー、ディアンドレ・エイトンを巧みに使いこなすポールの姿が見られそうだ。