ミルウォーキー・バックスが50年ぶりの優勝を飾った今年のファイナルで、印象的なシーンのひとつが優勝決定後に敗れたフェニックス・サンズのモンティ・ウィリアムズHC(ヘッドコーチ)がバックスのロッカールームを訪れた場面だ。そこでウィリアムズHCはバックスを称賛し、「来年また対戦する可能性がある気がしている」とメッセージを送った。 しかし、サンズの元幹部は「パーティー中のロッカールームに敵将が訪れ、メッセージを送るためにそのパーティーを止めるなんて」と、否定的な意見を示していた。その後、ヤニス・アデトクンボ(バックス)は自分がウィリアムズHCをロッカールームに招いたと明かしているが、ごく一部でウィリアムズHCの行動に疑問を呈す声が聞かれていた。 実はこの時、ウィリアムズHCは自分がロッカールームに案内されていたとは思っていなかったというのだ。『The Athletic』のインタビューで明らかにしている。 「バックスのロッカールームで何かをしようとしていたわけではなく、単にヤニスを祝福しようとしただけなんだ。バド(マイク・ブーデンホルツァーHC)とジョン(ホーストGM)がいる別のオフィスに連れて行ってもらって、彼らを祝福しようとね。まさかロッカールームに連れていかれるとは思わなかったけど(笑)、ヤニスのことをとても尊敬しているから嬉しかったよ」 敵将を称えるアデトクンボと、敗戦のショックを見せずに相手を称賛したウィリアムズHC。スポーツマンシップに溢れる美しい場面が生まれた背景には、こうした予想外の出来事があったようだ。