ジェレミー・リン、アジア系アメリカ人への人種差別に悲痛な思い「コート内で『コロナウイルス』と言われる」

かつてNBAで“リンサニティ”と呼ばれる一大ムーブメントを起こし、現在はGリーグのサンタクルーズ・ウォリアーズに所属するジェレミー・リンが日本時間2月26日(現地25日)、公式フェイスブックでアジア系アメリカ人への人種差別に対する主張を綴った。『AP通信』が報じている。 名門ハーバード大から2010年にドラフト外でNBA入りしたリンは、ニックスに移籍した2011-12シーズンにブレイク。コビー・ブライアント擁するロサンゼルス・レイカーズ相手に38得点を叩き出すなど目覚ましい活躍を見せ、世間の熱狂ぶりは“リンサニティ”と呼ばれた。 その後はヒューストン・ロケッツ、レイカーズ、シャーロット・ホーネッツ、ブルックリン・ネッツ、アトランタ・ホークス、トロント・ラプターズを経て、2019年夏から中国の北京ダックスでプレイ。NBA復帰を目指してアメリカに戻り、今年1月にGリーグのサンタクルーズ・ウォリアーズ加入が決まった。 今季は5試合(うち先発4試合)に出場して平均19.6得点、2.8リバウンド、7.2アシスト、1.6スティールを記録しているリンだが、26日に自身のフェイスブックへ「アジア系アメリカ人のこの世代において、何かが変わっている」と投稿した。 「『人種差別はない』と言われることに、『下を向いて騒ぎを起こすな』と言われることに、うんざりしている。アジア系アメリカ人の子供が成長したら、本当はどこから来たのかと問われ、目のことを嘲笑われ、エキゾチックと見なされ、本質的に魅力的じゃないと言われることに、うんざりしている。ハリウッドのステレオタイプが僕らの気持ちに影響し、僕らにはできるのだと考える人を制限することに、うんざりしている。見えない存在とされ、同僚と間違えられ、僕らの闘いは現実じゃないと言われることに、うんざりしている」 リンはさらに、コロナ禍において、自身が突き付けられた現実についても明かしている。 「僕は自分の甥や姪、将来の子供たちのためにより良い状況を望んでいる。アジア系アメリカ人の次の世代のアスリートたちのために、一生懸命頑張っても『見かけによらず運動がうまい』としか見なされない状況よりも、もっと良い状況を望んでいる。アジア系アメリカ人であることは、僕たちが貧困や人種差別を経験していないという意味じゃない。NBAで9年の経験を持つベテランであっても、コート内で『コロナウイルス』と言われるんだ」 『AP通信』によれば、新型コロナウイルスの世界的大流行をきっかけに、アジア系アメリカ人に対する偏見は、アメリカ中に急速に広まったという。リンの主張は、人種差別撲滅に向けて一石を投じることになるだろうか。

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