2年連続でMVPに輝いたヤニス・アデトクンボを擁するミルウォーキー・バックスは、リーグ最高勝率の56勝17敗でレギュラーシーズンを終えて、1974年以来3度目となるNBAファイナル進出が期待されたが、カンファレンス準決勝でマイアミ・ヒートに1勝4敗で敗れて早々とプレイオフから姿を消した。 カンファレンス決勝まで勝ち上がった昨季プレイオフよりも悪い結果に終わったことで、バックスは来シーズンに向けて大改革も予想された。しかし、フロントはマイク・ブーデンホルザーHC(ヘッドコーチ)続投の意志を明らかにしているため、選手の入れ替えにより補強を図ると見られている。 なかでも、中心選手のクリス・ミドルトンとエリック・ブレッドソーをトレードする可能性が高いことが、リーグ関係者の間で囁かれているようだ。『BasketballNews.com』のクリス・シェリダン記者はこのようにレポートしている。 「バックスが今オフにブレッドソーをトレードしようとしていることは、リーグ関係者の間では公然の事実だ。加えて、今年のプレイオフで不調だったミドルトンをトレードする可能性も浮上している。ブレッドソーのトレードについては様々な予想が噂されているが、ミドルトンの噂はまだあまり聞かれていない。なぜなら、ミドルトンには4年総額1億4600万ドル(約153億円)という大きな契約が残っているからだ」 シェリダン記者は、そのミドルトンについて年俸の観点を含めてトレードの可能性について言及している。 「ミドルトンの来シーズンのサラリーは3300万ドル(約34億円)だが、この金額に近いサラリーの選手は、フィラデルフィア・76ersのトバイアス・ハリス(約33億円)、クリーブランド・キャバリアーズのケビン・ラブ(約30億円)、76ersのアル・ホーフォード(約29億円)、サンアントニオ・スパーズのデマー・デローザン(約29億円)、ゴールデンステイト・ウォリアーズのアンドリュー・ウィギンズ(約29億円)、スパーズのラマーカス・オルドリッジ(約28億円)など、ごく限られた選手だけだ。だが、これらの選手の年齢やプレイスタイルを加味すると、バックスが1対1のトレードに踏み切るとは考えづらい」 また、バックスはアデトクンボを引き留めるためにも、クリス・ポール(オクラホマシティ・サンダー)をトレードで獲得する噂も飛び交っていたが、こちらはそれなりの駒を用意しなければ実現は難しいようだ。 「クリス・ポールの2年8560万ドル(約90億円)という高額なポールのサラリーにマッチさせるためには、ミドルトンとウェスリー・マシューズの2人を差し出す必要がある。バックスがロスターに手を加えないまま来シーズンを迎える可能性は低いが、今シーズンからのアップグレードを狙うためには、それ相応の対価を払う必要があるだろう」 2年連続でリーグ最高勝率を記録しながらファイナルに進出できなかったバックスは、“ポストシーズン(プレイオフとNBAファイナル)で勝てるチーム”を作る必要がある。今オフにバックスがどのような動きを見せるのか、注目が集まる。