再開後のNBAが開催されているフロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド内にあるマイアミ・ヒートの宿泊ホテルで、コーヒーショップ戦争が勃発しているようだ。 シーズンが再開して早々に、バブル(隔離地域)内のホテルに満足いくコーヒーショップが無いことを不満に思ったヒートのジミー・バトラーは、大量のコーヒー豆を仕入れて『ビッグ・フェイス・コーヒー』と命名したコーヒーショップをバブル内にオープン。数種類のコーヒーメニューに、スモール、ミディアム、ラージと3種類のサイズを用意し、自分だけでなくチームメイトにもコーヒーを(現金支払いのみ)提供し始めたが、全て1杯20ドル(約2100円)という高額な価格設定が話題となっていた。 『ESPN』のマリカ・アンドリュース記者によると、コーヒーの値段について同僚のバム・アデバヨは「彼のコーヒーは高すぎる。スモールでも、ミディアムでも、ラージでも1杯20ドルかかる。スモールサイズを2杯頼むだけで50ドル(約5250円)払わないといけないんだ」と主張。それに対して“オーナー”のバトラーは「俺は愛を込めてコーヒーを淹れているからね」と笑顔でコメントしたとしている。
アデバヨは値段に注文をつけたが、コーヒー自体の評判は良いようで、ガードのゴラン・ドラギッチはカプチーノ、ベテランのユドニス・ハズレムはエスプレッソショットを好んで飲んでいるとアンドリュース記者は伝えている。 しかし、ヒートのホテル内唯一のコーヒーショップとして覇権を握っていた『ビッグ・フェイス・コーヒー』にライバルが現れた。ヒートのアシスタント・アスレチック・トレーナーのブランドン・ギリアムが1杯5ドル(約525円)という低価格でコーヒーを売り始めたのだという。しかも、最初の1杯は無料という大盤振る舞いだとしている。 アンドリュース記者によれば、バトラーに対抗して店を『リトル・フェイス・コーヒー』と命名したギリアムは、開店の理由を「チームのビデオ・コーディネーターは、可哀想なことにバトラーのコーヒーを買う金銭的な余裕が無かった。彼は毎晩徹夜して試合映像の研究をしている。僕は、彼を助けたかったんだ」と語った。 また、ギリアムはバトラーに対しても「君はモカチーノやフラッペ・ラテを提供しているが、僕はブラックコーヒーだけ売っている。だから、ここで小さなショップを出すことを認めてくれ」と伝えたそうだが、思わぬライバル店の登場にバトラーは「誰もリトル・フェイス・コーヒーになんか行かない。ビッグ・フェイスが一番だ」と強気な姿勢を崩していないとされている。 バトラーの代理人であるバーニー・リーは「最近では10回電話がかかってきたら、そのうち7回はコーヒー豆のブローカーやコーヒーロースターからの電話だ」と、バブル内におけるコーヒービジネスの盛況ぶりに驚いているようだが、こういったチームとしての仲の良さも、ファイナル出場を果たしたヒート躍進の理由のひとつなのかもしれない。