日本時間9月16日(水)午前7時30分にボストン・セルティックスとマイアミ・ヒートによるイースタン・カンファレンス決勝が開幕する。ここではシリーズの行方を左右するポイントを3つ紹介する。
戦力面で2チームを比較した際に大きく異なる点として挙げられるのが、ビッグマンの存在だ。この点においては、MIP賞の最終候補にも残ったバム・アデバヨを擁するヒートにアドバンテージがあると言えるだろう。オフェンスではフィニッシャー、そしてボール回しの起点として機能し、守備ではストッパー兼アンカーとしてチームを支えるなど、攻守で高い万能性を誇るアデバヨ。主力としてプレイオフで参加するのは初めてながら、ここまで先発陣トップのネットレーティング(+12.5)を記録するなど、その貢献度は非常に高い。カンファレンス準決勝では、サイズのあるミルウォーキー・バックスのビッグマン勢を機動力で圧倒。より小柄なセルティックスに対しては、サイズを生かしてインサイドを支配したい。 セルティックスでアデバヨとマッチアップするのは、主にダニエル・タイスとロバート・ウィリアムズ三世になるだろう。アデバヨと比べると小粒感は否めないが、両者ともに与えられた役割を全うする優れた仕事人だ。現地8月4日のシーディングゲームで対戦した際はアデバヨに18本ものフリースローを与え、21得点、12リバウンドと活躍を許して敗戦。その試合を教訓とし、可能な限りアデバヨの効力を抑えられるか。
ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、ケンバ・ウォーカーを、ディフェンスの鬼であるマーカス・スマートとタイスが支えるセルティックスのスターティングメンバーは、チームにおける最大のストロングポイントだ。先発陣が今プレイオフで記録する平均89.5得点は参加16チーム中トップ。ヒートは、バックスとのシリーズでヤニス・アデトクンボに守備を集中させてリズムを狂わせたが、スコアラーとして優秀なテイタム、ブラウン、ウォーカーの三銃士を止めるのには手を焼くだろう。 大黒柱のジミー・バトラー、ベテランのゴラン・ドラギッチなど選手自体は好調だが、先発陣のパンチ力では劣るヒート。しかし、セカンドユニットの総合力は上と見るべきだ。今プレイオフでは、ルーキーながらビッグショットを決めるタイラー・ヒーロー、百戦錬磨のアンドレ・イグダーラらが要所で存在感を示すなど、ヒートの控え勢は16チーム中トップのプラスマイナス(+3.5)を記録。合計平均得点でもセルティックスのセカンドユニットに約12得点もの差をつけており、主力が休んでいる間に試合の主導権を握りたいところだ。
このシリーズの勝敗を占う上で重要なポイントとなるのが3ポイントシュートだ。レギュラーシーズンで2位(37.9%)、プレイオフで3位(38.0%)と今季リーグでトップクラスの3ポイント成功率を残し、長距離砲を15本以上決めた試合で23勝7敗と大きく勝ち越すヒート。対するセルティックスは、被3ポイント成功率でレギュラーシーズン2位(34.0%)、プレイオフ1位(30.5%)と、3ポイントに対する守備が最も上手いチームの一つとして知られている。今季の直接対決では、3試合でヒートの3ポイント成功率を32.2%に抑えたセルティックスが2勝1敗と勝ち越しているが、プレイオフでも同様の展開となるのかに注目だ。 なお、BASIC PASSではカンファレンス決勝以降、奇数試合(第1戦、第3戦、第5戦、第7戦)をライブ、偶数試合(第2戦、第4戦、第6戦)は見逃し(VOD)にて配信する。