ダラス・マーベリックスのボバン・マリヤノビッチは加入1年目の今季、224cmの長身を生かしてゴール下で存在感を発揮し、貴重な控えビッグマンとしてポストシーズン進出に貢献した。また、シリーズ通算2勝4敗で敗れたロサンゼルス・クリッパーズとのプレイオフ1回戦でも平均13.8分と限られた出場時間の中、平均6.8得点、5.8リバウンドとベンチメンバーとして及第点の働きを見せた。 もともとマリヤノビッチは、2015-16シーズンに1年契約でサンアントニオ・スパーズと契約してNBAキャリアをスタートさせた。だが、制限付きFAとなった2016年オフに3年総額2100万ドル(約22億3000万円)でデトロイト・ピストンズに移籍。その後、ロサンゼルス・クリッパーズ、フィラデルフィア・76ersを経て、今季はマブスでプレイした。
そのマリヤノビッチをNBAの世界へと引き入れたスパーズのグレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)は、当時、彼を引き止められなかったことを悔いているようだ。『The Athletic』のティム・カト記者が伝えている。 「(1年目を終えた後、マリヤノビッチと再契約を結ばなかったので)自分が愚か者だったと感じている。チームとして、そして人として正しいことができたら素晴らしい。我々は彼をNBAへと連れてきて、彼はチームに忠誠心を持ってくれていた。しかし、忠誠心にも限界はあり、家族のために決断をしなければいけない」 一方で指揮官は、金銭面においてマリヤノビッチの移籍は致し方ないことだったとも感じているという。 「彼が受けたオファーと同額を私たちは提示することができなかった。そして、私が彼を残留させたことで、得られる金額を手に入れずに終わっていたら永遠に罪の意識を感じていた。だから私は、『君は家族のためにも移籍しなければならない』と伝える必要があった」 ちなみにマリヤノビッチの現行契約は、2020-21シーズンで終了。彼が再びFAとなった時、果たしてスパーズが獲得に動くことはあるのだろうか。