ダラス・マーベリックのルカ・ドンチッチは2年目の今季、前半戦で平均28.9得点、9.5リバウンド、8.7アシストという圧倒的な数字を残して初のオールスター出場を果たした。2月28日(日本時間29日)に21歳となる若武者は、早くも世界最高峰のNBAでスーパースターになりつつあるが、母親であるミリヤム・ポテルビンさんが『ABC』系列のテレビ局『WFAA』のインタビューで息子の幼少期を振り返っている。 1999年2月28日、スロベニアの首都リュブリャナで誕生したドンチッチ。ポルテビンさんによれば、小さい頃からとにかく活発だったという。 「ルカはわんぱくな子で……。いいえ、わんぱくというよりはとても元気な子ね。1分と座っていられなかったわ」 7歳の頃からバスケットボールを本格的に始め、すぐに夢中になった。「私はよく『部屋を掃除したら練習に行けるわよ』と言っていたの。そうすれば、彼が確実に(掃除を)やると分かっていたから」とポルテビンさんは当時を振り返る。両親はその後離婚することになるが、そんな時にドンチッチの心の支えとなったのはバスケットボールだった。 「たぶんバスケットボールが支えになったわ。それ(離婚)は彼だけじゃなく、どんな子どもにとってもハードなものだから」 ドンチッチは13歳で母国スロベニアを飛び出し、名門レアル・マドリードの下部組織入り。クラブ史上最年少の15歳でトップチーム昇格を果たした。ポルテビンさんは当初、スペイン行きを止めようとしたという。それでもドンチッチの意思は固かった。 「『ルカ、まだ時間はあるわ。あとでも行くことはできるわよ』と言っていたの。でも、彼は私を見て、『ママ、僕は挑戦してみたい』と伝えてきたわ」 レアルで注目を集めたドンチッチは、2018年のドラフト1巡目3位でアトランタ・ホークスに指名され、トレイ・ヤング(現ホークス)とのトレードでマーベリックス入り。いきなり平均21.2得点、7.8リバウンド、6.0アシストを挙げて新人王を獲得し、2年目のジンクスなどどこ吹く風とばかりに今季も圧巻のパフォーマンスを続けている。ポルテビンさんは、誰よりもドンチッチの成功を祈っている1人だ。 「正直、以前はルカがNBAでプレイできるなんて思っていなかったわ。でも、彼には幸せになってほしい。バスケットボールは彼の幸せに結びついているの。たぶん、長期的にここ(ダラス)にいることになるでしょうね。彼はここにいたいと思っているから」 名手ダーク・ノビツキーの後を継ぎ、マーベリックスの新たなフランチャイズプレイヤーと期待されるドンチッチは、最愛の母のサポートを受けてさらなる飛躍を誓う。