NBA2年目を迎えたルカ・ドンチッチは、今や誰もが認めるダラス・マーベリックスの顔だ。平均28.8得点、9.8リバウンド、9.0アシストとシーズン平均トリプルダブルも現実味を帯びるほどの驚異的な活躍を見せるが、リック・カーライルHC(ヘッドコーチ)は約2年半前、まだドンチッチのプレーを知らなかったという。 2018年のドラフト1巡目3位でアトランタ・ホークスに指名され、その後にトレイ・ヤングとのトレードでマーベリックスに加入したドンチッチ。ルーキーイヤーから平均21.2得点、7.8リバウンド、6.0アシストを記録して新人王を獲得すると、2年目の今季はトリプルダブルを連発するなどさらに支配力を増している。 リーグMVP候補にも挙げられる20歳への評価は高く、ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHCは、「彼はリーグにとって重要な存在だ。欧州から来た選手だということは関係ない。彼を見るとラリー・バードを想起させるが、ジェームズ・ハーデンのようなクロスオーバーやステップバックのスキルも備えている」と称賛する。 カーHCの言葉を伝え聞いたカーライルHCは、「彼は毎月成長と学習を続け、スキルを磨いている。見ることがとてもエキサイティングな選手だ」とドンチッチに言及するとともに、指名に至るまでの舞台裏を『ESPN』で明かしている。 「名前は聞いたことがあった。ただ、プレーは見たことがなかった。2018年のドラフトの1年前のことだ」 13歳でスペインの名門レアル・マドリードと契約したドンチッチに関しては、“名前を聞いたことがある”程度だったという。長年チームを支えたダーク・ノビツキーが大ベテランとなり、再建を見据えるにあたり、「誰がベストの選手だと思うか」とバスケットボール・オペレーション部門代表兼GMのドニー・ネルソン氏に尋ねたところ、「ドンチッチ」と答えたという。 「見ろ、彼は歴代の偉大な外国籍選手の要素をいくつも備えている。しかも、彼はオリジナルの選手だ」 ネルソン氏の助言もあり、マーベリックスはドラフト後にトレードでドンチッチを獲得。次々とフランチャイズ記録やトリプルダブル関連のリーグ最年少記録を塗り替える活躍を見せている。そんなドンチッチもまだ2年目の20歳。今後も幾多の伝説を打ち立ててくれるに違いない。