サクラメント・キングスが熱狂的なファンにサプライズ

30年以上サクラメントに住んでいるインド人のジタ・カパヒ氏にとって、この10月は決して忘れられない特別な時間だった。 サクラメント・キングスの熱狂的なファンで、シーズンチケット・ホルダーでもあるカパヒ氏は、NBAインド・ゲームズでキングスが試合することが発表されると、「お金よりも価値のあることだ」と言ってすぐにインド行きの航空券を手配した。 カパヒ氏は「私は、歴史の一部になる必要がありました。試合のチケットが買えるかどうかも分からなかったけれど、私はとにかく飛行機のチケットを手配しました。私は、このチャンスを逃したくなかったのです」と、その当時を振り返っている。 カパヒ氏はインドで生まれたが、若い頃にロンドンに引っ越し、その後、カナダに移住した。 「私のルーツと私のハートはインドにあります。私の家族は今もインドに住んでいますし、ムンバイには叔母も住んでいますが、私はかれこれ15年はインドに帰省していませんでした」 もちろん、カパヒ氏はキングスの試合を見るためにムンバイに行ったが、彼女の目的はそれだけではなかった。彼女は、試合会場で「自分がどれだけ熱狂的なキングス・ファンか」ということを示したかったのだ。 カパヒ氏は「私は、甥の家のキッチン・テーブルでサインボードを作りました。そして、インドに向けて出発する前の段階で、私のスーツケースはサインボードと選手の顔のボードで埋め尽くされました。試合会場の外で、私はそのボードを掲げ、現地の人々に、自分が何者で、何故ここに来たのかを説明しました。インドでキングス愛を広めることが楽しかったですし、わざわざインドまで行ってキングスの応援をしようとしている自分が誇らしかったです。私は、サクラメントにいる1万7000人以上のファンの代表でした」と、当時を振り返った。

 

そして、このカパヒ氏の熱心さに感銘を受けたキングスのビベク・ラナディブ球団代表が、1つのサプライズを企画した。ラナディブ球団代表は、キングスのホーム開幕戦にカパヒ氏を招待し、コートサイドの自分の席の隣に彼女を座らせて試合を観戦したのだ。 カパヒ氏は、ラナディブ球団社長の提案を聞いた時の状況について「私のインド旅行が、こんな大きな出来事を引き起こすなんて思ってもみませんでした。彼の提案は、信じられないような内容でした。もちろん、私はすぐに『Yes!』と返事をしました」と、語っている。

 

カパヒ氏は、ムンバイでも特別な体験をしている。 彼女は、インドに出発する前にキングスのチーム・ストアで大のお気に入り選手のマービン・バグリー三世に出会っていた。そこで、彼女は背番号35番のレプリカ・ジャージーにバグリー三世のサインを書いてもらった。 その時に、彼女はバグリー三世に「私は、全てのキングス・ファンを代表してインドに行きます」と伝えていた。 そして、NBAインド・ゲームズ当日の試合会場で、バグリー三世は彼女の存在に気付いたそうだ。 カパヒ氏は、「私の席はコートに近かったので、彼が私に向かって頷いたのが見えました。彼は、私が彼のレプリカ・ジャージーを着てムンバイまで応援に来ていることに気付いてくれたのです。あれは、特別な瞬間でした」と、その時の状況を語っている。

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