マジックで自信を取り戻しつつあるマーケル・フルツ

2017年のドラフトで全体1位指名を受けたその才能はまだ枯れていないようだ。自分より10センチ以上身長が高い選手とも戦える跳躍力、ノールックでのビハインド・ザ・バックパスなど、その片鱗を試合で垣間見せている。 本人が望むほどの安定感はまだないし、時にシュートフォームが崩れることもあるが、マーケル・フルツはコートで一歩ずつ課題克服のプロセスを踏んでいる。オーランド・マジックのガードが歩んでいる復活への道のりは、決して1日で終わるものではなく、当分はこのような状態が続くだろう。 フルツにとって今は忍耐がカギとなる。ドラフト1位でフィラデルフィア・76ersに指名された当時期待された地位を彼は今築けていない。キャリア最初の2年で失った自信を取り戻すために時間がかかるようであれば、それしっかりとはかけるべきだ。マジックはサウスイースト地区を制した昨季の戦力を維持しており、チームからのプレッシャーはないのだから。 「この瞬間のために努力を続けてきた。なによりコートに戻れて嬉しいよ。自信を持つことは自分が育った環境では大切だったから、常に自信は持っている。コートに立てば自分とチームメイトを信じ、ただプレイするのみだ」とフルツは語る。 復活を急がせず、ひとつひとつの過程を大事にするマジックは自身にとって最適の場所だとフルツは認めており、今のところ順調にその歩みを進めている。2試合を終えてフルツは、エバン・フォーニエ、そしてオールスター選手のニコラ・ブーチェビッチに続く、チーム3位の平均12得点を記録している。 彼は決してプレイすることを恐れていない。マジックが敗れた27日(現地26日)のホークス戦では、プレイした最初の11分間で、3ポイントを5本中2本、合計7本中3本のフィールドゴールを決めて見せた。 最終的にターンオーバーなしで、12得点、3アシスト、3リバウンドを挙げたフルツは試合後、「自信を持ってすべてのシュートを打つことができた。今後はもっと決められるようになると思うし、打ち続けていくよ」と語った。 その試合の残り4分から互いにマッチアップしたフルツと、ホークスのトレイ・ヤングのコントラストは、環境という要素がどう選手に影響するかという点を見比べる意味で非常に興味深いものだった。 2年目のヤングはタレント揃いのホークスにおける不動のリーダーとして、ロイド・ピアースHCが求めることをコートで体現している。未熟な面もあるが、フィジカルの成長と共に自身のプレイに磨きをかけており、彼が自分の能力に対して持つ自信は彼のプレイをより輝かせている。 ヤングはその試合残り約1分の場面でフルツを抜き去りレイアップを決め、残り25.1秒にはバンクショットで3ポイントを沈めるなど、39得点、9アシスト、7リバウンドの活躍でチームを勝利に導いている。 もちろんフルツも能力の向上に努めている。マジックのスティーブ・クリフォードHCが、先発のDJ・オーガスティンではなく、フルツで試合を締めることを決断した事実は、彼のフルツへの期待と自信の表れだった。 トレーニングキャンプ、プレシーズン、またここまでの2試合でフルツが披露している一瞬の輝きは、今後フルツがより大きな存在になる可能性を示している。 「チームからの信頼を感じるし、自分の努力の成果」とフルツは試合を締めくくる役を任されたことについて語る。「僕にとってはとてもいい経験。コートに立つたびに学び、自分にとって最高のプレイを披露し、そしてプレッシャーを感じる試合終盤でコートに立つ。あの最高の場面でプレイ出来て、今日は間違いなく多くを学んだよ。やはりチームからの信頼を感じるし、このまま努力を続けていかなければいけないね」

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