アメリカと中国の貿易戦争がNBAファンに与える影響は?

ドナルド・トランプ・アメリカ大統領と中国との間で巻き起こった貿易戦争がヒートアップしている。その影響は、NBAのアパレルやシューズを作っているメーカーにも及びそうだ。 そこで生じるのは、「アメリカのスポーツ・ファンは、値上がりしたレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)関連のアイテムを買うのか?」という疑問だ。 昨年のアメリカにおけるスポーツ関連商品の市場は210億ドル(約2兆2700億円)にのぼり、NBAStore.comの売り上げは15%上昇したが、ほとんどのスポーツ・ブランドが商品の生産を中国にアウトソーシングしている。 また、専門家は、欧米ブランドの商品の中国国内での販売が制限される可能性や、値上がりした商品を買いたくないアメリカのスポーツ・ファンがコピー商品に手を出す可能性も危惧している。 アメリカ衣料・履物協会のスティーブ・ラマー副会長は「正規品の価格が上昇すると、偽物を買う人が増える傾向がある。アパレル・ブランドにもプレッシャーがかかっていると聞いている。誰もが新しいバスケットボール・シューズの発売を楽しみにしているのだけれどね」とコメントしている。 今のところ、アディダスやアンダーアーマーといったスポーツ・ブランドは、中国との貿易戦争の影響に関するコメントは控えている。しかし、スポーツ・ブランドも他のアパレル・ブランドと同様に、中国との貿易戦争が起こる数年前から、商品生産の委託先を中国からベトナムやバングラデシュに移転している。 数年前から中国へのアウトソーシングを減らしているアンダーアーマーのパトリック・フィスク氏は、「現在の関税率なら、何の問題もない。中国からの輸入品には10%の関税しかかからないので、現状のままなら問題ない」とコメントしている。 一方、今年はじめにNBAとの新たな複数年契約を発表したプーマのビョールン・ガルデンCEOは「我々の売り上げにおける中国の比率は非常に大きい。中国での売り上げは四半期ごとに15%上昇している。しかし、関税の引き上げや貿易戦争は市場にとって良いことではない。それらは、市場の見通しを不透明にしている」と語った。 プーマはこの2年間で海外の生産委託先を中国から移転しており、現在は中国への委託は全生産量の20%にまで下がっている。だが、それでも会社全体の生産コストは上昇傾向にあると、ガルデンCEOは指摘している。 しかし、ナイキをはじめとするスポーツ・アパレルの中国における売り上げは依然として好調を維持している。 ナイキのマーク・G・パーカー代表兼CEOは「今のところ、我々の売り上げには貿易戦争の影響は出ていない。我々の売り上げは、2020年にさらに伸びるだろう」とコメントしている。 ナイキは全生産量の4分の1を中国で生産しているが、中国から北米への輸入に対する関税の影響は「おおむね問題ない」としている。 プーマのガルデンCEOは、同社が中国の工場でアメリカ市場向けと中国市場向けの両方の商品を生産していると語った。以前は中国国外の工場で生産した商品を中国に輸入して販売していたが、中国国内で生産・販売することによって、安くて早く市場に商品を流通させることができる。その点で、プーマはトレンドを先取りしていると言える。 このやり方について、ガルデンCEOは「流通までのプロセスが以前よりも早くなったし、関税もかからないし、輸送料もかからない」と説明している。

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