FIBAワールドカップまであと1週間だが、アメリカ代表はまだ金メダルに向けて十分な状態ではないようだ。 一方、オーストラリア代表は世界に向けて大きくアピールした。 NBA選手によって構成されたアメリカ代表が、国際舞台で13年ぶりに敗北を喫した。オーストラリアのメルボルンで現地8月24日に行われた親善試合で、後半に一時10点リードを奪われたオーストラリア代表が、パティ・ミルズの30得点の大活躍により98-94で逆転勝利を収めたのだ。 試合後、アメリカ代表の先発ガードのケンバ・ウォーカーは「今夜、彼らは俺たち以上に勝利を望んでいた。この敗戦は、俺たちにとって良い教訓となった」とコメントしている。 アメリカ代表は、2006年に埼玉で行われた世界選手権の準決勝でギリシャ代表に破れて以降、メジャーな国際大会や親善試合で1度も負けていなかった。銅メダルに終わった同大会から、アメリカ代表はFIBAアメリカズ・トーナメント(2007年)、北京オリンピック(2008年)、トルコで開催された世界選手権(2010年)、ロンドン・オリンピック(2012年)、スペインで開催された世界選手権(2014年)、リオ・オリンピック(2016年)といった全ての大会で優勝している。 そして、今夏の親善試合でスペイン代表とオーストラリア代表を下したアメリカ代表は連勝を78に伸ばしていたが、その連勝記録が遂に途絶えた。 特に、アメリカ代表はオーストラリア代表に30勝0敗と負け無しだっただけに、オーストラリア代表の喜びもひとしおだ。試合後、オーストラリア代表の先発ガードのミルズは「とても嬉しかった」と話している。 一方、アメリカ代表のグレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)は「新しいメンバーが新たなシステムを学んでいる段階なので、こういった事が起こるのは予想していた。だから、何も驚くことはない。オーストラリア代表は、我々が最終的になるべき姿や、国際大会での戦い方について、非常に良い教訓を与えてくれた」とコメントしている。 今夏のFIBAワールドカップは、金メダル最有力候補のセルビア代表、NBAのシーズンMVPを受賞したヤニス・アデトクンボ率いるギリシャ代表、最優秀守備選手賞を受賞したルディ・ゴベア率いるフランス代表、そしてタレント揃いのオーストラリア代表と、強豪がひしめいている。アメリカ代表は、これらのチームに対抗するチームをあと1週間で作り上げなければならない。 現在、アメリカ代表はFIBAランキング1位だが、今夏は多くのスター選手が代表入りを辞退したため「優勝候補筆頭」とは言えない状況だ。彼らは現地8月16日に行われたスペイン代表戦との親善試合を9点差で勝利し、同16日のオーストラリア代表との親善試合は後半のスパートでなんとか16点差で勝利したが、どちらも決して楽な勝利ではなかった。 そして、この試合で、アメリカ代表はウォーカーが22得点、ハリソン・バーンズが20得点と気を吐いたが、オーストラリア代表はミルズの他にもアンドリュー・ボーガットが16得点、ジョー・イングルズが15得点、7アシスト、4リバウンド、アーロン・ベインズが13得点と活躍し、アメリカ代表から大勝利を収めた。 バーンズは、試合後に「彼らは素晴らしいチームだ。彼らは長年一緒にプレーしてきた。彼らのバスケットボール・スタイルは素晴らしい」と、オーストラリア代表のプレーを手放しで賞賛している。