【NBA Rakuten解説者インタビュー】中川和之さん「NBAに新時代が来たっていう感じがする」

11月12日(日)のゴールデンステイト・ウォリアーズ対クリーブランド・キャバリアーズ戦で「NBA Rakuten」の解説に初登場いただいた中川和之さん(IPU・環太平洋大学女子バスケットボール部監督)にインタビュー。中川さんは専修大学在学中の2004年に渡米し、現地独立リーグでプロデビュー。その後国内外で13年の現役生活を送り、2018年からはコーチとして活躍している。そんな中川さんに、これまでのキャリアやNBAの見どころ、NBA選手たちとのエピソードについて聞いた。※インタビューはウォリアーズ対キャバリアーズ戦の解説後に実施。

その日ある面白そうなカードを観る

――NBAの試合解説は初めてと伺っていますが、“デビュー戦”を終えていかがでしょうか? 中川:ド緊張しました(笑)。子どもの頃に中原さんや塚本さん、北原さんらレジェンドの方々がNBAの解説をされているのを見ていましたけど、まさか自分がその立場になるとは想像していなかったので。こういうこともあるんだなと思いつつ嬉しかったですね。やはりNBAは情報量も多いし、視聴者も相当バスケットボールの目が肥えている方が多いと思うんですよ。知識も豊富ですしね。そういうのもあって緊張しました。ライブ配信ではチャット機能もあるじゃないですか? あれ好きなんですけど、叩かれてないかと心配でした……。 ――いえいえ、「KAZさんだ!」と書き込んでくださっていたユーザーの方もいらっしゃいましたよ! これまで長くNBAを観てこられた中川さんですが、昔と今の違いはどんなところにありますか? 中川:スモールボールになってから久しい気もしますが、そこにウェンビー(ビクター・ウェンバンヤマ/サンアントニオ・スパーズ)が出てきたりと変化が目まぐるしいです。チェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー)もいますし。あれだけのビッグマンがスムーズにボールを扱うんですから。そうした選手はまだ彼らくらいかもしれませんが、NBAに新時代が来たっていう感じがしますよね。 ――普段はどのような試合を観られることが多いですか? 中川:その日ある面白そうなカードを選びますね。例えばウォリアーズ対ナゲッツが面白そうとか、ウェンビーとチェットが対決するなら観てみたいとか。あとはレブロン・ジェームズ対ケビン・デュラントなど、このマッチアップは気になるから観るということが多いです。なのでチームが強いか弱いかというのはあまり関係ないですね。スパーズはあまり勝ててないですけど、やっぱりウェンビーは観てみたいですから。

「ウェンビーは観てみたい」という中川さん。サイズに似合わぬ器用さに注目しているという

八村選手には数字が求められている

――今は八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)や渡邊雄太(サンズ)をチェックしたいというファンも多くいます。 中川:八村選手はフィジカルを活かし自らアタックして点を取れるのが魅力ですが、ダービン・ハムHC(ヘッドコーチ)はそうした部分をそこまで評価していないのかもしれませんね。ドリブルハンドルからクリエイトする選手を好んでいる印象で、だからあまり出番が増えないのかもと考えています。この状況を打破するには結果を残すしかない。30点取ったらコーチも使わない理由なんて絶対ないですから。そうした数字が八村選手には求められているんじゃないかなと思います。選手はコーチが望むことにアジャストしなければいけないと思う一方で、ハムがあまりいいコーチじゃないかもしれないっていうのも少し感じてはいます(笑)。 レイカーズは個の力に頼りすぎているように思いますね。もちろんそういう時間帯があってもいいんですけど、試合を通してずっとやるものではないなと。オフェンスが停滞することが多い。みんながボールをちゃんと触れるようじゃないと、微妙にシュートタッチが整わなかったりすることもあるはずです。ただ、レイカーズはそれでも試合に勝ってしまうんですよね。それだけレブロン・ジェームズとAD(アンソニー・デイビス)の個の力が半端ないということの証明とも言えるでしょうね。 渡邊選手はコーナースリーとディフェンスが明確に求められています。ブルックリン・ネッツ時代からそれをやっていて、ケビン・デュラントも認めている。もうチーム内でポジションを確立できている選手なんですよ。2021年にアンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)に頭上からダンクを決められた際、「100回中99回ダンクされても1回ブロックできるなら飛ぶ」と話していましたが、あの時の渡邊選手はNBAで自分が何者かを証明しなきゃいけなかったかもしれない。でも今はそういうレベルの選手ではなく、もっと上のステージにいる選手だと思います。

現役時代お世話になったラングACがいるホークスにも注目

――今のNBAで気になるチームはありますか? 中川:観ていて面白いのはOKC(オクラホマシティ・サンダー)ですね。SGA(シェイ・ギルジャス・アレクサンダー)がとにかく凄い。FIBAワールドカップでもカナダ代表で大活躍していました。チェットは高さを生かしたブロックだけじゃなくて、動きがとてもスムーズ。ジョシュ・ギディーもクレバーさが魅力です。チーム全体にエキサイティングな感じがありますね。あとは自分が現役時代にお世話になったアントニオ・ラングACがいるアトランタ・ホークスもチェックしたいと思っています。 ――中川さんがJBLの三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ(現Bリーグ・名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)に在籍されていた頃、ラングACはチームの指揮官を務められていましたね。 中川:当時は自分も若かったので、よく怒られていましたが(笑)。今は自分もコーチになって、とても仲良くさせてもらっています。今年のオフも東京に来ていたんですけど、自分がいる岡山まで来てくれました。しかも本当は1泊の予定だったのに2泊してくれて。今度は自分がアトランタに行けたらと思っています。

▶▶ラングACとの2ショットはこちら(中川さんのInstagramに遷移します)

――ラングAC以外にもこれまでNBA関係者との接点が多かった中川さんですが、初めて入団されたABAロングビーチ・ジャムでは史上初めて得点王とアシスト王を同時受賞した殿堂入り選手のタイニー・アーチボルドがヘッドコーチでした。 中川:自分にとってプロ初のヘッドコーチです。リップサービスかもしれないけど、「カズのプレイは自分の若い頃に似ている」って言ってくれて。そんなことあるかいって思いましたが、嬉しかったですね。その後サンズを解雇された田臥さん(Bリーグ・宇都宮ブレックス)が来たくらいの頃に、自分と一緒に彼もカットされてしまいました。これだけのレジェンドでもカットするなんてアメリカは凄いと当時は思いましたね。その直後にはデニス・ロッドマン(元シカゴ・ブルズほか)が入団してきました。 そういえば当時田臥さんにスティーブ・ナッシュ(元サンズほか)について聞いたことがあります。毎日練習でマッチアップしているのに、次何を仕掛けてくるか予測できないと言っていました。相手の動きを読むのが巧みな田臥さんがそう言っていたので驚きましたね。

中川さんがアメリカでプレイしていた当時、チームメイトだった田臥勇太(宇都宮ブレックス)からナッシュの凄さを聞いたという

引き出しを増やすためにNBAを観た方がいい

――現在はコーチとして活躍されています。選手たちに指導をするうえでNBAが参考になるポイントってどういう点になりますか? 中川:ディフェンスはルールが違うし、シュートレンジも違うので、その辺は参考にしろと言っても難しいです。ただアイディアを持っていてほしいと。練習した事がコートに出せないというケースがよくあるんですけど、その時にアイディアが必要なんです。ダメになった時に何をセレクションできるか、その引き出しを増やすためにNBAを観た方がいいという話はよくします。 ――中川さんから見て、引き出しが多いと思う選手は誰ですか? 中川:過去も含めたらナッシュですね。現役だとクリス・ポール(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)でしょうか。NBAで得点を挙げるというのは本当に難しくて。例えば渡邊選手はもちろん死ぬ気でプレイしていると思いますが、それでも点が取れない試合もある。自分もアメリカでプレイしている頃はたった数点取るのに必死でした。一方でナッシュは簡単に30点とか取っていた。そのヒントはやっぱりNBAにあるんですよね。 ――では最後に、2023-24シーズンの NBA にキャッチコピーをつけるとしたら? 中川:新時代的な要素が増えている気がしていて、NBAは本当にファンを休ませないリーグだなって思います。カリーの「Night Nightポーズ」に対抗するわけじゃないですが、「NBA Never Sleep」なんていかがでしょうか。

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