NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
八村塁が所属するワシントン・ウィザーズは昨季、開幕1か月でイースト3位(13勝7敗)と好調な滑り出しを見せた。しかし、シーズン中盤から終盤にかけて2度の6連敗が響き、35勝47敗でプレイオフ進出を逃した。 オフの最大のニュースは、チーム生え抜きのブラッドリー・ビールと5年総額2億5100万ドル(約373億3000万円)で再契約したことだろう。2012-13シーズンに入団して以降、カンファレンス準決勝が最高戦績の29歳に払い過ぎとの声もあるだけに、フランチャイズの期待を一心に背負うエースにはそれらを跳ね返すような奮起が求められる。 そのエースを支える一番手として挙げられるのが、昨シーズン途中に加入して平均22.1点、8.8リバウンドと活躍したクリスタプス・ポルジンギスだ。いまだ2人がコート上で共演したことはないが、ビールは「僕が入団して以降で最高のビッグマンだ。外からのシュートが打て、パスも上手いからチームの助けになってくれるはず」と期待を口にしている。2年連続で平均30点以上を挙げたリーグ屈指のスコアリングガードと、「ユニコーン」と呼ばれるほど多彩なビッグマンが機能すれば、リーグ22位に沈んだ平均得点(108.6)からの改善は期待できる。
「今年は一味違う」とチーム一同認めるのが24歳の八村の成長だ。プレシーズンでは全4試合で2桁得点を挙げるなど好調をキープ。特に、得点とリバウンドでのアグレッシブさが目立っており、本人も「4年目になって、いろいろ慣れてきたことが大きい」と自信を口にしている。 ウェス・アンセルドJr. HC(ヘッドコーチ)は起用方については語らなかったが、プレシーズン最後の2試合でベンチスタートだったことを考慮すると、昨季同様控えからの出場がメインになりそうだ。とはいえ、最終戦ではチーム最多の20点をマークするなど、得点力はチーム屈指。安定的に実力を発揮し、チームの勝利に貢献できればシックスマン賞獲得も夢ではないだろう。来オフには制限付きFA(フリーエージェント)になるだけに、しっかりと結果を残して次の契約につなげたいところだ。
アンセルドJr. HCにとってカギになりそうな補強は、デンバー・ナゲッツのアシスタントコーチ時代に指導したモンテ・モリスとウィル・バートンだろう。指揮官も元教え子の加入について「攻守で自分の実現したいことを分かっている選手と、また一緒にやるのは楽しいよ」と素直に喜んでいる。 先発ポイントガードを務めるモリスは、アシストとターンオーバー比率がリーグ5位(4.27)とミスが少ない堅実なプレイが持ち味。バートンは7年連続2桁得点と攻撃力のあるウイングだ。指揮官の意図を把握する新加入2人が、どのような変化をチームにもたらすのか見ものだ。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:108.6(22位) 平均失点:112.0(16位) 得失点差:-3.4(23位) 平均リバウンド:43.1(23位) 平均アシスト:25.0(12位) 平均スティール:6.4(30位) 平均ブロック:5.0(8位) FG成功率:47.2%(5位) 3ポイント成功率:34.2%(26位) FT成功率:78.3%(12位) オフェンシブ・レーティング:110.2(21位) ディフェンシブ・レーティング:113.6(25位) ※カッコ内はリーグ順位