NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
ユタ・ジャズは昨季6年連続でプレイオフに進出したが、1回戦でダラス・マーベリックスにシリーズ2勝4敗で屈した。オフには、2017-18シーズンから二枚看板を担ってきたルディ・ゴベアとドノバン・ミッチェルをトレードで放出し、計7つのドラフト1巡目指名権、3つの1巡目指名交換権を獲得するなど、再建プロジェクトを始動。ダニー・エインジCEOは、「お互いを信じていないプレイヤーたちのグループだった」と、大きく舵を切った理由を明かしている。 ロスターの3分の2が25歳以下という若いチームを託されたのは、ボストン・セルティックスでアシスタントコーチを務めていたウィル・ハーディ。現役最年少となる34歳の新指揮官が、どのようにチームを立て直すか。所属4年目を迎えるジョーダン・クラークソンは「経験、チーム、雰囲気、すべてが新しい」と来たるシーズンに心を躍らせている。
昨季リーグ9位の平均25.9得点を記録したミッチェルがチームを去ったなか、新たなポイントゲッター役として期待されるのが、サイン&トレードで4年総額7200万ドル(約107億円)の契約を結んだ新加入のコリン・セクストンだ。昨年11月に左膝半月板断裂の大怪我を負い、わずか11試合の出場にとどまったが、2020-21シーズンにはキャリアハイの平均24.3点をマークした実績を持つ。 問題は武器とするスピードがどこまで戻るか。プレシーズンは全4試合に出場したが、スタメン起用はサンアントニオ・スパーズ戦のみで、平均9.0得点、FG成功率36.1%止まり。シーズン序盤は無理をさせず、徐々にギアを上げていくことになるだろう。セクストンは「(ジャズは)若いチームでエネルギーに満ちていて、常に成長する意思を持っている」と、新天地での挑戦をポジティブに捉えている。
ジャズにはこれまで、最優秀守備選手賞3回、オールディフェンシブ1stチーム6年連続選出、ブロック王とリバウンド王にもそれぞれ1回輝いた経験を持つ守備型センターのゴベアがいた。それでも、昨季は平均107.6失点でリーグ10位とやや苦しんだ。チームを再建していく上で、ディフェンス再構築のミッションは避けられない。 プレシーズン4試合で相手を100点以下に抑えた試合はなく、うち3試合は110失点以上。ただ、2試合目のポートランド・トレイルブレイザーズ戦ではブレイクダウンが少なく、クローズアウトも改善の傾向が見られた。守備でインサイドを任されるケリー・オリニクによれば、ハーディHCから「自分の(担当)エリアを守れ」と指示が出ているという。 注目はゴベアとのトレードで加入した新人のウォーカー・ケスラーだ。昨季オーバーン大で全米1位となる平均4.6ブロックを記録したビッグマンは、ネイスミス年間最優秀守備選手賞とSEC最優秀守備選手賞のダブル受賞。新守護神としてポテンシャルは十分なだけに、しっかりと経験を積ませたていきたいところだ。『ESPN』のザック・ロウ記者はパワーランキングでジャズを最下位に位置付けしていたが、下馬評を覆せるだろうか。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:113.6(7位) 平均失点:107.6(10位) 得失点差:+6.0(3位) 平均リバウンド:46.3(3位) 平均アシスト:22.7(27位) 平均スティール:7.2(20位) 平均ブロック:4.9(11位) FG成功率:47.1%(6位) 3ポイント成功率:36.0%(11位) FT成功率:76.7%(20位) オフェンシブ・レーティング:116.2(1位) ディフェンシブ・レーティング:111.0(10位) ※カッコ内はリーグ順位