【2022-23シーズン】全30チームプレビュー：トロント・ラプターズ

NBAは日本時間10月19日（現地18日）に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。

昨季新人王バーンズの司令塔での起用も視野

トロント・ラプターズは昨季、シーズンラスト36試合で25勝と白星を積み重ね、イースト5位（48勝34敗）でプレイオフに進出。しかし、1回戦で対戦したフィラデルフィア・76ersに太刀打ちできず、シリーズ2勝4敗で敗退した。 新シーズンにてイースト上位に食い込むためには、2年目を迎えるスコッティー・バーンズの成長が欠かせない。ルーキーイヤーは平均15.3点、7.5リバウンド、3.5アシストとオールラウンドな活躍を見せて球団史上2人目の新人王を獲得。さらなる飛躍が期待され、ニック・ナースHC（ヘッドコーチ）は新たにポイントガードとしての起用を示唆している。201cmとウイングのサイズがありながら、パス捌きやボールハンドリング力が上手いバーンズは、「どのポジションもプレイできるけど、ポイントガードが一番好き。大学時代もやっていた」と、新たな役割に前向きな姿勢を見せている。 バーンズがボールハンドリングを任されることになれば、昨季シーズン終盤に膝や腰の怪我で苦しみ、プレイオフでは平均13.8点と振るわなかったフレッド・バンブリートの負担を軽減できる。昨季、リーグトップタイの平均37.9分に出場した正司令塔をサポートできるか、21歳のバーンズに期待が懸かる。

計算できる先発陣に対してベンチに不安

昨季に続きセカンドユニットは、ラプターズが抱える課題の一つだ。バーンズ、バンブリートに加え、得点源のパスカル・シアカム、シューターのギャリー・トレントJr.と攻守に優れたOG・アヌノビーの先発5人全員が、昨季は平均35分以上出場と酷使されていた。シーズンが長丁場であることを考慮し、ナースHCが控え陣をどう起用していくかは大きなカギになりそうだ。 チームには昨季ゴールデンステイト・ウォリアーズの優勝に貢献したオットー・ポーターJr.に加え、ナースHCが高く評価するフアンチョ・エルナンゴメスが加入。その他にもベテランのサディアス・ヤングやクリス・ブーシェイ、エネルギッシュなプレイが持ち味のプレシャス・アチウワ、プレシーズン5試合で平均12.4点と結果を出したダラーノ・バントンなど、派手さはないものの万能性の高い選手が揃っている。このサポーティングキャストを上手く機能させられるかは、指揮官の腕にかかっている。

チームの命運を左右するシアカムの出来

ラプターズのスタイルは堅守速攻型だ。相手のターンオーバーからの得点率はリーグ1位（17.3%）に加えて、速攻からの得点率はリーグ2位（14.5%）と、いかにイージーバスケットを奪えるかが肝となる。その一方でハーフコート・オフェンスのレーティングはリーグ25位（92.4）と、走ることを封じられた際のオフェンスを苦手にしている。 リーグ優勝を果たした2018-19シーズンには、アイソレーションで度々チームを救ったカワイ・レナード（現ロサンゼルス・クリッパーズ）がいたが、現在のチームにはそのレベルのスーパースターはいない。ただ、その役目を担うのは誰かと聞かれれば、昨季チームトップの平均22.8点を挙げたパスカル・シアカムになるだろう。昨季、30点以上を記録した試合ではプレイオフを含めて13勝2敗と高い勝率を誇る。それだけにシアカムが確固たるエースにステップアップすることが、チーム躍進のためには必要となる。

■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点：109.4（20位） 平均失点：107.1（7位） 得失点差：+2.3（12位） 平均リバウンド：45.3（8位） 平均アシスト：22.1（29位） 平均スティール：9.0（2位） 平均ブロック：4.6（17位） FG成功率：44.5%（25位） 3ポイント成功率：34.9%（20位） FT成功率：75.9%（23位） オフェンシブ・レーティング：112.1（15位） ディフェンシブ・レーティング：109.9（9位） ※カッコ内はリーグ順位

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