NBAは日本時間10月20日(現地19日)に、リーグ75周年となる2021-22シーズンが開幕する。NBA Rakutenでは節目となるシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
昨季は開幕から6勝2敗と好スタートを切ったオーランド・マジックだったが、1月にマーケル・フルツが前十字靭帯断裂でシーズン絶望となって以降調子を落とし、プレイオフ戦線から脱落。それを受けてフロントはトレード期限前に、ニコラ・ブーチェビッチ(現シカゴ・ブルズ)、アーロン・ゴードン(現デンバー・ナゲッツ)、エバン・フォーニエ(現ニューヨーク・ニックス)と主力選手の放出に踏み切った。また、シーズン終了後にはダラス・マーベリックスでAC(アシスタントコーチ)を7年間勤めたジャマール・モーズリーをヘッドコーチに招聘し、新体制へと移行している。 ロッタリーピックを2つ保持していたドラフトでは、全体5位で即戦力として期待されるジェイレン・サッグス、全体8位で万能性の高いコンボフォワードのフランツ・バグナーを指名。FA市場では、若手の指導役として期待されるベテランのロビン・ロペスを獲得した。 総合的には静寂なオフだったが、それは昨季途中のトレード加入後に平均11.2点と才能の片鱗を見せたRJ・ハンプトンや、フルツ離脱後に先発として自慢の得点力を披露したコール・アンソニー、チュマ・オキキなど、若手の成長に懸けている証拠だろう。
若手中心のマジックで一番の注目株は、ルーキーのサッグスだ。サマーリーグでは平均15.3点、6.3リバウンド、2.3アシスト、1.7スティールを挙げ、攻守にわたって存在感を発揮。オフェンスではパスの巧さは前評判通りで、高い身体能力を活かして積極的にペイントへ仕掛けフリースローを得たりするなど、高い得点力も大きな魅力だ。 また、ディフェンスでもウィークサイドへのヘルプやブロックなど、NBAレベルで通用するポテンシャルを披露。ルーキーに過度な期待は禁物だが、フランチャイズプレイヤーになり得るタレントであることは間違いない。
今季についてモーズリーHC(ヘッドコーチ)は「結果にはこだわらず、シーズン中は毎日しっかり練習して試合に臨むことを若手に指導していく。彼らがそれを理解できれば結果は自ずとついてくる」と説明。勝敗ではなく、準備や毎試合懸命にプレイする大切さといったプロの在り方を中心に、“学ぶシーズン”にすると表明している。 アシスタントコーチ時代は、若手の立場になって意見を聞き入れる親分肌として有名だったモーズリーHC。育成に定評がある新指揮官が、再建中のチームをどのような色に染めていくのか楽しみだ。
【入団・再契約】カッコ内は昨季所属チーム、またはドラフト順位 ロビン・ロペス(ウィザーズ) イートワン・モア(サンズ) ジェイレン・サッグス(1巡目5位) フランツ・バグナー(1巡目8位) モリッツ・バグナー(再契約) イグナス・ブラズデイキス(再契約) 【退団】カッコ内は今季所属チーム オットー・ポーターJr.(ウォリアーズ) ドンタ・ホール(ASモナコ) ドゥエイン・ベーコン(解雇→ニックス) チェイソン・ランドル(サンズ) 【フリーエージェント】カッコ内はFAの種類 シンダリウス・ソーンウェル(制限なし) ジェームズ・エニス三世(制限なし)
レギュラーシーズン:21勝51敗(.292/イースト14位) プレイオフ:不出場 ■チームスタッツ 平均得点:104.0(29位) 平均失点:113.3(20位) 得失点差:-9.3(29位) 平均リバウンド:45.4(7位) 平均アシスト:21.8(28位) 平均スティール:6.9(25位) 平均ブロック:4.4(22位) FG成功率:42.9%(30位) 3ポイント成功率:34.3%(27位) FT成功率:77.5%(17位) オフェンシブ・レーティング:104.6(29位) ディフェンシブ・レーティング:113.9(26位) ※カッコ内はリーグ順位