NBAは日本時間10月20日(現地19日)に、リーグ75周年となる2021-22シーズンが開幕する。NBA Rakutenでは節目となるシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
ゴールデンステイト・ウォリアーズは昨シーズン、大黒柱のステフィン・カリーが史上最年長で得点王(平均32.0得点)に輝くなど怪我からの完全復活を果たし、前年から24勝の上乗せに成功した。最終的にはプレイイン・トーナメントで敗れたが、強豪復活の兆しが見えたシーズンだった。 直近2年はケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)の移籍や、クレイ・トンプソンの大怪我など不運な出来事が続いたが、今年は積極的な補強で充実なオフを送っている。まずはカリーと4年2億1500万ドルの契約延長を締結すると、FA市場では3度の優勝(2015年、2017年、2018年)に貢献したアンドレ・イグダーラを引き戻し、3&Dとして計算できるオットー・ポーターJr.を獲得。さらにドラフトでは全体7位でジョナサン・クミンガ、14位でモーゼス・ムーディーと有望株を指名し、今季に向けた強化と将来を見据えたチーム作りを同時進行させた。 何よりも大きな戦力補強となるのが、左ひざ前十字靭帯断裂と右足アキレス腱断裂で過去2年間離脱していたトンプソンだ。復帰時期は12月から来年1月当たりと言われているが、“スプラッシュ・ブラザーズ“としてカリーと共に一世を風靡したピュアシューターが負傷以前の実力を発揮できるようであれば、ウェストの上位争いに絡んでくるだろう。
懸念されるのは、来年の3月で34歳となるカリーが背負う負担だ。昨季はカリー不在時の戦績が2勝7敗と散々だっただけに、レギュラーシーズンが82試合に戻る今季はより慎重にコンディションをケアして起用したい。控えはマイケル・モルダー、ゲイリー・ペイトン2世、エイブリー・ブラッドリー(その後解雇)が現時点での候補だが、いずれの選手も若干の頼りなさは否めないのが正直なところだ。 ボールハンドラーはイグダーラも務められるが、年明けに38歳となるベテランに過度な期待はできない。強豪揃いのウェストで結果を出すにはカリーが万全な状態であることは絶対条件。層の薄さをどうカバーしていくのか、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が考えるローテーションに注目だ。
オフェンシブな印象の強いウォリアーズだが、ディフェンシブ・レーティングがリーグ5位(109.4)と、最優秀守備選手賞を受賞歴した経験のあるドレイモンド・グリーンを中心とした堅い守備を誇る。その堅守を活かすためにも、リーグワーストクラスのリバウンド力は要改善だ。 昨シーズンは対戦相手に平均10.7本(リーグ29位)ものオフェンシブ・リバウンドを奪われ、セカンドチャンスからの失点も平均14.2点(リーグ27位)と、ペイント内のリバウンド争いで劣勢になる場面が散見された。目立ったビッグマンの補強はなく、2年目のジェームズ・ワイズマンも怪我で出遅れることが濃厚なため、チーム全体でリバウンドを取りに行く意識を高めたい。無駄な失点を最小限に抑えることができれば、試合の流れを失うことなく勝ち星は増えていくはずだ。
【入団・再契約】カッコ内は昨季所属チーム、またはドラフト順位 オットー・ポーターJr.(マジック) アンドレ・イグダーラ(ヒート) ネマニャ・ピエリツァ(ヒート) クリス・チオーザ(ネッツ) ジョナサン・クミンガ(1巡目7位) モーゼス・ムーディー(1巡目14位) 【退団】カッコ内は今季所属チーム ニコ・マニオン(ビルトゥス・ボローニャ) ケント・ベイズモア(レイカーズ) ケリー・ウーブレイJr.(ホーネッツ) アレン・スマイラギッチ(KKバルチザン) エリック・パスカル(ジャズ) 【フリーエージェント】カッコ内はFAの種類 ジョーダン・ベル(制限なし)
レギュラーシーズン:39勝33敗(.542/ウェスト8位) プレイオフ:不出場(プレイイン・トーナメント敗退) ■チームスタッツ 平均得点:113.7(12位) 平均失点:112.7(18位) 得失点差:+1.1(14位) 平均リバウンド:43.0(22位) 平均アシスト:27.7(1位) 平均スティール:8.2(6位) 平均ブロック:4.8(17位) FG成功率:46.8%(14位) 3ポイント成功率:37.6%(9位) FT成功率:78.5%(13位) オフェンシブ・レーティング:110.5(20位) ディフェンシブ・レーティング:109.4(5位) ※カッコ内はリーグ順位