日本時間6月24日(現地23日)、ファイサーブ・フォーラムでイースト第3シードのミルウォーキー・バックス(46勝26敗)と第5シードのアトランタ・ホークス(41勝31敗)によるカンファレンス決勝が開幕する。レギュラーシーズンの対戦ではバックスが2勝1敗と勝ち越しているが、うち1勝はホークスのトレイ・ヤングが欠場していた。そんな両チームのシリーズにおける注目ポイントを紹介する。
ホークスがこのシリーズで勝利するには、トレイ・ヤングの活躍が不可欠だ。フィラデルフィア・76ersとのカンファレンス準決勝では平均29得点、10.9アシストを挙げ、司令塔としてチームを牽引した一方、FG成功率39.2%、3ポイント成功率32.3%とシュートタッチに苦しんだ。 最優秀守備選手賞のファイナリストだったベン・シモンズとのマッチアップが苦戦の要因として挙げられるが、バックスはプレイオフに参戦しているチームの中でディフェンシブ・レーティングがトップ(102.8)と堅守を売りにしている。ペリメーターにはドリュー・ホリデーとPJ・タッカー、インサイドにはブルック・ロペスにヤニス・アデトクンボとディフェンスに定評がある選手が揃っており、この守備網を突破できるかに注目したい。
バックスは、アデトクンボがペイント内でのプレイを増やせるかが大きなポイントになる。カンファレンス準決勝ではブルックリン・ネッツ相手に平均31.9得点、12.9リバウンド、FG成功率57.4%と活躍。フリースローをエアボールする失態も見せたが、全体的には好調で勝利の原動力となった。特にインサイドの支配力は凄まじく、7試合でマークした223得点のうち、154得点がペイント内と圧倒的な数字を残している。今シリーズでも身長211cm、ウイングスパン224 cmという恵まれたサイズと身体能力を駆使したペネトレーションやポストムーブで、インサイドを制圧していきたい。 唯一の懸念はやはりフリースローだ。ネッツとのシリーズではフリースロー成功率48.3%と、63.6%だったプレイオフ1回戦から大きく確率を落とした。接戦となった試合では、相手があえてフリースローを打たせる「ハック・ア・ヤニス」を採用する可能性もあるだけに、確率を上げていきたいところだ。
両エースの活躍も必須だが、それを支えるチームメイトの存在も重要だ。バックスは先述したホリデーの守備に期待がかかる。アデトクンボ、クリス・ミドルトンを支える「第3の男」として今季より加入したホリデーだったが、ネッツとの第6戦、第7戦では合わせてFG成功率29.5%、3ポイント成功率15.8%とスランプに陥った。しかし、ジェームズ・ハーデンやケビン・デュラントに対してフィジカルな守りを披露。タフショットを打たせるなど、守備でチームの勝利に貢献した。ホークスとのシリーズでは、抜群の得点力を誇るヤングとのマッチアップが予想されるが、勝負強いプレイで評価を高めるヤングを抑えることできるか。 ホークスでは、今季開幕前にバックス移籍が破談となったボグダン・ボグダノビッチをキーマンに挙げたい。カンファレンス準決勝ではFG成功率37.8%、3ポイント成功率28%と精彩を欠いたが、レギュラーシーズンのバックス戦は2試合で平均30得点、FG成功率53.7%、3ポイント成功率52.2%と好相性だった。右ひざを痛めておりシリーズ初戦の出場は当日判断となるが、もしプレイできるなら、ヤングにマークが集中することが予想されるため、得意の長距離砲でエースを援護したい。 バックスはカリーム・アブドゥル・ジャバーを擁した1974年以来、ホークスはセントルイスが本拠地だった1961年以来と、久々のNBAファイナル進出を目指す両チーム。ファイナリストの座を懸けた決戦の火蓋が切られる。 ■アトランタ・ホークス対ミルウォーキー・バックス 日時:日本時間6月24日(木)午前9時30分 会場:ファイサーブ・フォーラム 解説:北原憲彦 / 実況:永田実