フィラデルフィア・76ersのベン・シモンズは、身長211cmというサイズを誇ると同時に、ガード並みのボールハンドリングとパスセンスを兼備するリーグ屈指のオールラウンダーとしてその名を馳せる。 攻守で高いレベルのプレイを披露するシモンズだが、唯一の弱点とされるのがアウトサイドシュート。特にキャリアで29本しか打たず、そのうち3本しか決めていない3ポイントは、チームのもう1人の看板選手であるジョエル・エンビードとの共存という意味でも大きな課題となっている。 また、チームはイースト首位(12勝5敗)と好調だが、シモンズ自身は今季FG試投数が減り、平均得点(12.9)もここまで自己最低。能力があるにも関わらず、シュートを打つことに消去的になっているとの指摘もある。しかし、チームを指揮するドック・リバースHC(ヘッドコーチ)は、数字は「気にしていない」と語り、司令塔の利他的なプレイスタイルを尊重している。 「正直言うと、自分は(数字を)見ていないんだ。世間の人が見て教えてくれるしね。そこまで心配していないよ。彼はポイントガードでも、シューティングガードでも、スモールフォワードでもない。バスケットボール選手なんだ。我々は彼をコート上の全ての場所で起用している。ベンができないことについて話すのは、君たちに任せるよ。私は素晴らしい守備と、チームを勝利に導くことを彼に期待している」 シモンズも指揮官同様に、勝利こそ自分の求めるものだと語っている。 「自分について一つ言える事は、自分が無得点でもチームが50点差で勝っているなら、それでハッピーだということ。平均で何点取るとか、1試合で50点、40点、30点取ろうとかは考えない。目的は勝利だけ。守備や試合の流れを読んだ上でのプレイメイクで、それを達成しようとしている」 チームはイースト首位と好調なだけに、今はシモンズに大きな変化は必要ないのかもしれない。今後もこの勢いを維持できるのか、注目して見ていきたい。