今季よりヒューストン・ロケッツに加入したクリスチャン・ウッドが絶好調だ。昨年11月にチームと3年総額4100万ドルの契約を締結した25歳のビッグマンは、日本時間1月6日(現地5日)の時点で5試合に出場し、平均23.6得点、10.0リバウンド、1.0スティール、2.0ブロックと目覚ましい活躍を見せている。 新天地ですでに不可欠な存在になりつつあるウッドだが、ここまでの道のりは決して簡単なものではなかった。2015年のドラフトでは指名されず、その後はGリーグでの修行が続いた。 NBAでチャンスをなかなか掴めずにいたウッドにとって転機になったのが、中国リーグCBAでの出来事だった。NBAチームからのオファーがなかった2017年にウッドは、CBAの福建スタージョンズと契約。しかし、チームが別の選手と契約するため、シーズン開幕前に解雇される憂き目にあっている。 「あれは自分の人生において最も大きなテストだった」と『The Undefeated』のマーク・スピアーズ記者の取材でウッドは当時を振り返った。 「NBAでやれると思っていたが、(福建スタージョンズに)解雇された。彼らには自分がCBAレベルでもないと判断されたんだ。クレイジーだと思ったけど、その瞬間スイッチが入った。他に選択肢はなかった。NBAチームに入るため、できる限りのことをやる必要があった。そしてそれはGリーグ選手になることだった」 ウッドはその後の2シーズンを主にGリーグでプレイし、73試合で通算平均25.6得点、11.8リバウンド、1.1スティール、2.0ブロックとハイアベレージを記録。そして昨季デトロイト・ピストンズでローテーション入りすると、平均13.1得点、6.3リバウンドとチャンスを掴んだ。今オフに3年契約を手にしたウッドは、「長期契約は自分にとって意味のあるもの」と心境を語っている。 「自分がどれだけ努力してきたかを証明するものだ。ミニマム契約や無保証契約を結び、チームから何度もウェイブされてきた自分が、3年4100万ドルの契約をサインするなんてね。本当に素晴らしいよ。ただ自信過剰になるわけではないけど、自分にはそれ以上の価値があると思っているよ」 ジェームズ・ハーデンとジョン・ウォールという2人のスターガードがチームの軸となるロケッツだが、高い身体能力と3ポイントも打てるシュート力を兼備するウッドが、チーム飛躍のキーマンとなるかもしれない。