ワシントン・ウィザーズは過去2年間、司令塔のジョン・ウォールが長期離脱するなかで、“2番手”だったブラッドリー・ビールが代わりにチームを牽引してきた。ウォールは2020-21シーズンに復活を目指しているが、トミー・シェパードGM(ゼネラルマネージャー)は無条件でゴー・トゥー・ガイ役に戻すことはできないとの見解を示している。 ウォールは2010年のNBAドラフト全体1位指名でウィザーズ入り。1年目から平均16.4得点、8.3アシスト、1.8スティールの好成績を残してエースの座に就くと、2013-14シーズンから5年連続でオールスターに選出されるなど、リーグを代表する攻撃的ポイントガードの地位を確立した。 しかし、2019年2月に自宅で転倒して左足アキレス腱を断裂。2018年12月26日(日本時間27日)のデトロイト・ピストンズ戦を最後に、実戦から約2年間も離れている。その間にビールが代役エースを務め、昨季はリーグ2位となる平均30.5得点をマーク。八村塁ら若手の良き兄貴分としても存在感を示した。 12月22日(同23日)に新シーズン開幕を控えるなか、シェパードGMは『980 The Team』のポッドキャスト『The Kevin Sheehan Show』で、チーム内のヒエラルキーについて語った。 「ブラッドリー(ビール)を中心に据えてきた期間、ジョン(ウォール)は2年間いなかった。その状況で『ウィザーズはジョンのチームだ』というのは不公平だろう。ブラッドリーは中心選手としてプレイし続けた。ジョンが怪我をしていた間も、NBAの時計の針は動いている」 もっとも、シェパードGMはどちらかを評価するのではなく、あくまで“共存”させることで新シーズンの巻き返しを図りたい意向だ。 「我々はブラッドリーの負担を軽減し、チームの能力を最大限に引き出したい。ジョンが戻ってきたら、それははるかに簡単になる。しかし、ブラッドリーもダイナミックなスコアラーで、48分間プレイし続け、相手のベストプレイヤーを守れる真の2ウェイプレイヤー(攻守で計算できる選手)だ」 ウォール、ビール、八村のトリオで、どこまで強豪チームに太刀打ちできるか、興味深いところが、11月20日(同21日)に『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が、「ウォールがワシントンから出ていきたいという意向を明確にした」と報道。ここに来てトレードの可能性が指摘されているが、果たしてウィザーズ版“ビッグ3”をコートで見ることはできるのだろうか。