フィラデルフィア・76ers(以下、シクサーズ)は、2019-20シーズン終了後にドック・リバース新HC(ヘッドコーチ)、ダリル・モーリー新バスケットボール部門代表を迎え、チーム改革に乗り出した。ヒューストン・ロケッツでジェームズ・ハーデンを獲得してスモールボールのチームを作り上げたモーリーの加入により、その3年連続得点王獲りに動くのではとの憶測が浮上。チャンスがあるなら、主力の一部を放出してもその価値はあると米有名識者は主張している。 事の発端は、『Stadium』の『Inside The Association』に出演したシャムズ・シャラニア記者が、「フィラデルフィアはジェームズ・ハーデンの獲得に興味を持つと見られ、実際に画策するだろうと聞いている」とコメントしたこと。ロケッツにハーデンを放出する気はないものの、様々な方法でトレードを実現させてきたモーリーは、シクサーズでもそのアプローチを変えないだろうと、将来的なトレードの可能性を示唆した。 一方で、モーリーはバスケットボール部門代表の就任会見で、リバース新HCがジョエル・エンビードとベン・シモンズの2枚看板を中心としたチーム作りを見据えていることを明かしている。現時点で、トレードでのハーデン獲得はあくまで噂レベルでしかない。 そんななか、スポーツアナリストのクリス・ブルサード氏は『Fox Sports 1』の番組『First Things First』に出演した際、「まず、私はこのトレードが実現するとは思わない」と断ったうえで、もしハーデンを獲得できるならシモンズを放出してでも実現させるべきだと主張している。 「ベン・シモンズは怪我をしがちだ。敢えてトレードが起こるという立場を取るなら、私がフィラデルフィアの人間なら、ジェームズ・ハーデンを手に入れるためなら迷わずベン・シモンズを差し出すだろう。ジェームズ・ハーデンは歴代でもベストスコアラーの1人で、殿堂入りも確実だ。いまだ全盛期にあり、単なるシューターではなく、プレイメーカーとしてパスもできる。ドック・リバースの下ではよりバランスを取る必要があるが、シクサーズにジェームズ・ハーデン、ジョエル・エンビード、トバイアス・ハリスのビッグ3が誕生したら、理論上はブルックリンと同様にイーストのベストチームに近づくだろう」 ハーデンが加わった際はまったく違ったチーム作りに舵を切ることになるが、果たして新体制となったシクサーズはどのような動きを見せるのだろうか。