デトロイト・ピストンズのデリック・ローズは、シカゴ・ブルズ時代の2010-11シーズンに史上最年少の22歳6カ月でシーズンMVPに輝き、新世代の旗頭になると目されていた。その後、左膝前十字靭帯断裂、右膝半月板断裂、2度にわたる半月板断裂するなど、度重なる大怪我で全盛期の輝きは失ったが、近年はセカンドユニットのインスタントスコアラー兼ゲームメーカーとして復活を印象づけている。 かつてはダブルクラッチも軽々こなす抜群の身体能力が押し出したプレイが特徴だったローズは、NBAのレジェンドであるコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)を見て、“変化”のインスピレーションを受けたという。ポッドキャスト『Pushin' Thru』で、キャリア当初の自分とコービーから感じ取ったものについて語っている。 「(アレン)アイバーソンはコート上で自由にプレイできた選手の1人だった。それは代々、次の世代に受け継がれて、僕はアイバーソンのおかげで自由にプレイできた。アイバーソンと僕がゴールにアタックする形は、他のプレイヤーたちとは違っていた」 「(コービーのように)20年間プレイするには、順応することが必要だ。完全にスタイルを変えるのではなく、微妙にニュアンスを修正するんだ。コービーはキャリアを重ねるごとに、スキルを習得してそれを証明した。僕は彼を間近で見て、プレイの変化に注目していた」 キャリア9年間で3ポイント成功率29%だったローズは、2018-19シーズンにミネソタ・ティンバーウルブズで同37.0%を記録。昨季はピストンズで成功率が30.6%まで落ちたが、過去2年間は平均18.0得点、4.9アシストと効率的に攻撃に貢献している。 「(右)肘の手術を受けて、シュートを根本的に変えないといけなかった。リーグで生き残るためには、ミネソタで(3ポイント)シュート成功率40%を残さないといけなかったんだ。成功率35~40%でなかったら、リーグにとどまるのは難しかったと思う」 数々の故障を乗り越え、新たなスタイルで再びNBAでプレイする術を見出したローズ。まだ32歳と老け込む年齢ではなく、渇望する自身初優勝に向けてもう一花咲かせたいところだ。