2019-20シーズンのNBAは、ロサンゼルス・レイカーズの通算17回目の優勝で幕を閉じた。新型コロナウイルスの影響で、4か月以上の中断、バブル(隔離地域)を設けての中立地での集中開催など、未曾有の事態を乗り越えてたが、最終的にシーズンを完結させたことで15億ドル(約1582億円)の収益損失を防いだという。 NBAはフロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にバブルを設置し、7月30日(日本時間31日)からシーズンを再開。プロトコル厳守と徹底的に管理された隔離環境を維持することで、NBAファイナル第6戦まで計172試合を開催した。今季は2019年10月22日(同23日)に始まり、20年10月11日(同12日)に終了したが、これは1シーズンとしては最長の期間だった。 『Sports Business Journal』のジョン・ロンバード記者によれば、NBAはバブルでの計100日間の稼働に対して、総額1億8000万ドル(約190億円)を投下。各チームはホームゲームの約20%がキャンセルとなり、NBAとしても大幅な減収を余儀なくされたが、再開期間に放映権やリーグのスポンサーシップによる収益を得て、15億ドル(約1582億円)の損失を食い止めることができたという。ディズニーバブルチームの幹部は「間違いなくそれだけの価値があった」と自負している。 また、NBAのイベント部門副代表を務めるケリー・フラトー氏も、「我々の最優先事項は健康と安全性。そしてビジネスの観点からは、2019-20シーズンを終え、チャンピオンを決め、ビジネス・メディアパートナーを含め、ファンをアリーナに戻す計画を立てることが重要だった」と語った。 シーズン再開以降、NBAソーシャルチャンネルで映像は69億回再生されたというが、その一方でMLB(メジャリーグ)など他のスポーツも開催されているため、ポストシーズンの視聴率は低下するなど、課題も残った。新シーズンは来年1月以降の開催が見込まれるなか、どのような体制を整えるのか、アダム・シルバー・コミッショナーを中心としたNBAの“次なる一手”に注目が集まる。