今シーズン、NBAファイナルまで進出する大健闘を見せたマイアミ・ヒートが、2年連続MVPを受賞したヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)を2021年のFA(フリーエージェント)市場で獲得することを目論んでいるようだ。 アデトクンボは今オフにバックスとの契約を延長することができるが、契約を結ばなかった場合は、現行の契約が終了する2021年のオフに完全FAになる。そのため、アデトクンボ獲得を狙うチームたちは、来季終了後のオフに向けてサラリーに空きを作るべく、今オフから金銭面での調整が必要となる。 そんななか、『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は、ヒートがアデトクンボ獲得のための準備を進めると報道。その上で鍵となるのが、今季オールスター選手に成長したバム・アデバヨだとした。 「ライバルチームたちは、ヒートがアデバヨとの契約延長を見送るかどうかに注目している。情報によれば、ヒートは2021年のFA市場で、ヤニス・アデトクンボの獲得に全てを懸ける準備を進めているようだ。サラリー的には、アデバヨとの契約延長を保留することで、2021年に向けて(金銭的な)余裕が生まれる。ただ、ヒートにおけるアデバヨの存在感、リーダーシップは無視できず、チームの幹部とアデバヨのエージェントであるアレックス・サラトシスは、今オフに契約延長を結ぶかどうかについて話しあうだろう」 NBAキャリア3年目を終えたアデバヨは、ルーキー契約のマックス額で、今オフにヒートと契約を延長することができるが、チームとしては、もし今オフに契約を結ばなかったとしても、来シーズン終了後に制限付きFAとなるアデバヨを残留させることができる。しかし、他の選手と天秤に掛けることで、アデバヨとの関係性が悪化する可能性は否定できない。 またその一方で、アデバヨとアデトクンボが、共闘することも指摘されている。2人が同じエージェント(サラトシス)を雇っているという事実を踏まえ、『ESPN』のブライアン・ウィンドホースト記者は、「両者が今オフにそれぞれのチームと契約を延長しなければ、ヒートに注目だ」と、2人がマイアミで合流する可能性を指摘した。 アデトクンボがFA権を得るのは、約1年後の話だが、すでにその争奪戦は水面下で動いているようだ。予想外の躍進で今季ファイナルへと出場したヒートは、果たしてアデバヨとの契約延長に関してどのような決断を下すのか。