10月11日(日本時間12日)に行われたNBAファイナル第6戦は、ロサンゼルス・レイカーズがマイアミ・ヒートを106-93で下し、シリーズ4勝目を挙げてリーグ優勝を決めた。試合後の会見で、敗れたヒートのエリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)は、チームの戦いぶりを涙ながらに振り返った。 『USAトゥデイ』のクリス・バンバサ記者によると、会見の冒頭、涙を拭いながら約30秒ほど無言だったスポールストラHCは、敗れるも全力を尽くしたチームを称えた。
「私たちは一生の思い出を分かち合った。今後何が起ころうとも、私たちは今年の出来事、今シーズン、この経験、そして築いた家族のような信頼関係を生涯忘れないだろう。このような仲間たちのそばにいるためにこの仕事をしている。そして私はこれからも前に進んでいく。それが我々のチームのあり方だ。彼らは仲間のために優勝を目指した。ただ、今シーズンを勝利で締め括れなかったことを残念に思っている」 今NBAファイナルで、ヒートは主力のバム・アデバヨとゴラン・ドラギッチの負傷という不運にも見舞われた。しかし、スポールストラHCは、新型コロナウイルスの影響によって生まれたバブル(隔離地域)という特殊な環境や、黒人の人権問題や社会正義の問題が取り沙汰される難しい状況のなかで、レイカーズと素晴らしい試合を繰り広げたことを誇りに思っていることを付け加えた。 「レイカーズと素晴らしいステージを共有できて良かった。彼らの優勝を祝福したい。彼らは、優勝に見合うチームだ。この歴史的なシーズンの一部になれたことを、私たちはとても光栄に思っている」 ヒートのビデオコーディネーターからヘッドコーチに登り詰めたスポールストラHCは、アジア系アメリカ人のヘッドコーチとしてNBA史上初の優勝を2012年に果たし、その翌年には連覇を達成。当時、ヒートはレブロン・ジェームズ(現レイカーズ)、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュという3人のスーパースター選手が結集したことで注目されたが、名将パット・ライリー(現ヒート球団代表)の流れをくむスポールストラHCの手腕も高く評価されていた。 大方の予想を覆し、ファイナル進出を果たしたヒート。スポールストラHCの下、この経験を糧にして来季こそ優勝なるか。