「NBA Rakuten」は日本時間10月1日(木)午前10時より、マイアミ・ヒートとロサンゼルス・レイカーズによるNBAファイナル第1戦を配信する。 レイカーズのレジェンドであるコービー・ブライアントの突然の訃報、新型コロナウイルスの感染拡大によるシーズン中断、人種差別問題と戦う選手たちによるボイコットなど、2019-20シーズンが過去に例のない1年だったことは間違いない。そんな激動のシーズンもついに、終幕を迎えようとしている。王座を懸けた最終決戦で戦うのは、今季開幕前から優勝候補に挙げられていたレイカーズと、イーストの大本命であったミルウォーキー・バックスを破るなど下馬評を覆してきたヒート。過酷な戦いを勝ち抜いてきた両チームによる、ファイナルの見どころを紹介する。
レイカーズはレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビス、ヒートはジミー・バトラーにバム・アデバヨと、両軍に共通しているのは軸となる二枚看板の存在だ。ポジションとサイズが合致するだけに、ファイナルではそれぞれがマッチアップすることも多く見られるだろう。 特に同じケンタッキー大出身のアンソニー・デイビスとバム・アデバヨのビッグマン対決には注目だ。レギュラーシーズンでは2度の対戦で、アデバヨがデイビスを平均15.0得点、FG成功率42.9%(6/14)、3ポイント成功率33.3%(1/3)と抑えている。ただ、デイビスはプレイオフを通して平均28.8得点、9.3リバウンド、FG成功率57.1%と絶好調で、第1戦から激しい攻防戦が繰り広げられることが期待される。
もちろんレブロン・ジェームスとジミー・バトラーのエース対決も見逃せない。こちらはバトラーがマークについた際、約10分間で16得点を許すなど、レギュラーシーズンではジェームズを止めることができなかった。ただ、バトラーも“キング”を抑えないことには勝利がないことを認識しており、カンファレンス決勝勝利後のインタビューで「優勝のためにはレブロン・ジェームズのチームを超えなければいけない」と、最高の舞台でリベンジを果たすことを誓っている。
シリーズの行方を左右する“Xファクター”には、ヒートのタイラー・ヒーロー、そしてレイカーズのラジョン・ロンドを挙げたい。ヒーローはカンファレンス決勝で平均19.2点、6.2リバウンド、4.8アシスト、FG成功率52.3%を記録。第4戦では自己最多の37得点をマークするなど抜群の存在感を発揮した。プレイオフ新人記録となる、控え出場からの15試合連続2桁得点を記録するなど、ポストシーズンで赤丸急上昇中の20歳が、大舞台でもチームの「ヒーロー」となれるのか注目だ。
対するロンドも、「プレイオフ・ロンド」と呼ばれる所以を披露している。司令塔として試合をコントロールするのはもちろん、キャリア通算成功率32.8%と苦手の3ポイントも44.8%(13/29)という高確率で決めている。シリーズを通じて調子を維持し、着実にシュートを決めることができれば、レイカーズのオフェンスは相手にとってより脅威となるだろう。
ヒートはこのシリーズ、リバウンドを着実に奪って自らのオフェンスを展開していきたい。「リバウンドを制するものはゲームを制す」という名言どおり、プレイオフに入って以降、ヒートはリバウンド数で相手を上回った試合で7戦全勝。デイビスを筆頭に、ドワイト・ハワード、ジャベール・マギーらビッグマンを擁するレイカーズにはサイズで劣るため、ガード陣も含めチーム一丸となって積極的にリバウンドを拾っていきたい。 レイカーズは3ポイントを安定して沈められるかがポイントだ。プレイオフで喫した3敗は全て3ポイントの成功率が30%未満で、決めた本数も平均7.3本と低調な成績に終わっている。ケンテイビアス・コルドウェル・ポープとダニー・グリーンが高確率で決められればジェームズとデイビスへのマークを拡散でき、試合の流れを掴むことができるはずだ。 前年度プレイオフ不出場だった2チームが、ファイナルで対戦するのはNBA史上初。ヒートは4度目、レイカーズは歴代最多タイとなる17度目の優勝を目指した戦いの火蓋が開けられる。