7月末からシーズンを再開させる予定のNBAは、東西各カンファレンス8位と9位が4ゲーム差以内であれば両者によるプレイイン・トーナメントで最終スポットの8位を決める特別ルールを採用する方向で動いている。現在、ウェスタン・カンファレンス8位のメンフィス・グリズリーズ(32勝33敗)から3.5ゲーム差の9位(29勝37敗)につけているポートランド・トレイルブレイザーズにとっては、再開後に行われる8試合のシーディングゲーム(順位決定戦)は負けられない戦いとなる。そのブレイザーズのフォワードで、36歳となったカーメロ・アンソニーの起用法が注目を浴びている。 昨季途中にヒューストン・ロケッツからシカゴ・ブルズにトレードされ、ブルズでも契約解除の憂き目に遭ったベテランは、9カ月以上も続いた無所属の期間を経て、昨年11月にブレイザーズと契約。今季は、デイミアン・リラード、CJ・マッカラムに次ぐチーム第3の攻撃オプションとして平均15.3得点、6.3リバウンド、1.6アシストを記録してきた。
出場全50試合で先発を務めたアンソニーだが、シーズン再開後のレギュラーポジションが確約されているわけではない。ブレイザーズは左足開放骨折で今季1試合も出場していないセンターのユスフ・ヌルキッチ、昨年11月に左肩を手術して長期離脱を余儀なくされたパワーフォワード(PF)のザック・コリンズが復帰間近と言われているからだ。 「カーメロ・アンソニーはポートランド・トレイルブレイザーズのためにベンチから出場すべきか?」とのテーマで持論を展開した『Rip City Project』のスティービー・コーゼンス記者は、アンソニーがローテーションで重要なポジションを担っているのは間違いないものの、リーグ26位の平均115.3失点、同27位のディフェンシブ・レーティング(113.6)というチームの拙守を考えると、“スーパーサブ起用”も検討に値するとしている。 「メロにとって最高の場所はベンチスタートで、コリンズを4番(PF)で起用することになるかもしれない。ハッサン・ホワイトサイドとコリンズが先発する場合、ヌルキッチとメロはベンチからフロントコートを形成する。ヌルキッチの優れた守備力はメロとの相性がいい。カーメロは得点力とサイズで相手のセカンドユニットを恐怖に陥れることができる。彼がベンチの役割を受け入れることに問題はなく、リーダーとスコアラーとしての役割が少し変わるだけだろう」 アンソニーは、同じ2003年ドラフト組のレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やドウェイン・ウェイド(2019年に現役引退)と異なり、まだリーグタイトルを手にできていない。また、彼はキャリア通算1114試合中わずか8試合しかベンチスタートを経験していない。