グレッグ・ポポビッチHC、人種差別問題に胸中を吐露「白人として恥ずかしい」

アフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイド氏が5月25日(日本時間26日)、ミネアポリスで警官に手錠で拘束された際、無抵抗だったにもかかわらず白人警官に膝で首を圧迫され続け、のちに死亡した。この事件が新たな人種差別問題の火種となり、各地で大規模な抗議デモに発展して社会問題化。NBA界でもSNSでの声明発信やデモ参加が広がっている。サンアントニオ・スパーズのグレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)が人種差別に疑問を呈した内容を、『NBA.com』のマイケル・C・ライト記者がレポートした。 セルビア系アメリカ人のポポビッチHCは、空軍士官学校で4年間過ごして兵役へ。大学のHCを経て、1988年にスパーズのアシスタントコーチとしてNBAでのキャリアをスタートさせた。94年にゼネラルマネージャーに就任し、その後96年にヘッドコーチの座に就き、NBA歴代最長記録となる24シーズン目を迎えている。 歴代3位の通算1272勝を上げ、将来のバスケットボール殿堂入りが確実な名将は、6月6日(日本時間7日)にスパーズ公式ツイッターで公開された動画で人種差別問題に声を上げた。 「黒人は400年、この精神的苦痛を抱えて生きてきた。この国(アメリカ)が繁栄できた唯一の理由は、黒人の根気、忍耐、努力にある。我々の国の歴史の始まりは、あらゆる面において偽りで構成されている。その嘘を、黒人や褐色人種が真実のように扱ってきた。おかしな話ではあるが、今回の悲劇から得た最大の教訓は、例の警察官の表情にあると思う。白人が自分の仕事を平然とこなし、左手をポケットに入れ、膝を押し付けるようにして被害者に何かを教えようとしている。警察官は、それが自分の権利と義務だと思っていたのだろう」 サンアントニオでも抗議デモは行われ、スパーズ幹部は5月30日夜(同31日)から翌日遅くまで、球団としてどのようなスタンスをとるか会議を続けていたという。そこで、バスケットボール管理部門のバイスプレジデントで、第一副法律顧問も務めるブランドン・ジェームズ氏の「#SpursVoices」シリーズとして発信するアイデアが採用された。ポポビッチHCは動画で、「私には(人種差別は)理解できない」と疑問を呈している。 「こんなことが起こりうるなんて、白人として恥ずかしい。絞首刑の瞬間を目の当たりにしたんだ。黒人が木から吊るされた絵を本では見たことがある。それを目にすればショックを受けるが、それをもう一度目撃したのと同じだ。自分の目で見ることになるなんて想像したことがない」 ポポビッチHCは、人種差別は許されるべきではないと強く主張していた。

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